2015年10月7日水曜日

注目されるエコマテリアル③


<注目されるエコマテリアル③>タイトル

素材そのものが利用する時に環境に負荷がかからない、あるいは素材が環境改善に
役立つ機能を持つエコマテリアル(環境配慮型新素材)開発は日本が世界を牽引して
いると言っても過言ではないだろう。先回紹介した逆浸透膜(RO膜)、炭素繊維の他
製品数は枚挙にいとまがない。今回も今ホットな話題になっているエコマテリアルを
お届けする。

●N夜光(ルミノーバ)
従来の夜光顔料には「自発光性」と「蓄光性」の2種類がある。前者は放射線によって
一晩中発光可能だが、放射性物質が含まれている用途に制限があり、生産や廃棄にも
厳重な管理が必要。一方、後者は放射性物質が含まないが、長時間発光が困難で実用
的ではなかった。今脚光を浴びているN発光は放射性物質不要、しかも長時間発光を
可能にした。アルミナ酸塩化合物を主成分に希土類元素の賦活剤を添加焼成という
特殊な製法で製品化に成功した。このN発光の特長は①暗闇での長時間発光②残光、
輝度が従来の10倍③照射する光が強いほど光る④耐光性に優れ屋外使用も可能⑤化学
的安定性が高い⑥光が遠くまで届く⑦人と環境への負荷が少ない等が挙げられる。
現在、日用品、時計、自動車、野外用品等用途開発が進む。根本特殊化学が世界に
先駆け製品化して、世界シェア約80%を占めている。

●LED、有機EL
LED(発光ダイオード)は電圧をかけると発光する半導体の一種。電気エネルギーの光へ
の変換効率は90%以上で、蛍光灯の60%に比べるとはるかに高い。省エネ効率は群を抜
く上に長寿命が特長。漁船の集魚灯、信号機、自動車や鉄道車両、飛行機の照明等の
他、屋内の照明、屋外ディスプレイ、イルミネーション等用途が急拡大している。
最近では農業分野ではLEDの光源の色によっては、植物の成長促進、病気抑制等の効果
が認められ、植物工場にも使われている。
有機EL(有機エレクトロ・ルミネッセンス)は電圧をかけると有機物が発光する現象を応
用したもの。有機物の分子によって発光パワーが異なり、その用途は無限大といわれる
といわれている。有機物自体が発光することからLEDを上回る省エネ効果が得られるとい
う。現在、携帯電話ディスプレイ、薄型テレビ等に採用され、照明機器での実用化に向
けての開発も進んでいる。

●マグネシウム合金
実用金属の中でも最も比重が軽いマグネシウム。1・8という比重はアルミ二ウムやチタ
ンの3分の2、鉄の4分の1である。このため自動車、小型電子機器の軽量化による省エネ
向上を図る素材としてマグネシウム合金が広く採用され始めている。さらにマグネシウ
ム合金はリサイクルが容易である特長を持つ。マグネシウムは融点が低く、合金に使う
アルミ二ウムや亜鉛、マンガン等の量が他の合金よりも少ないのでリサイクルが容易だ。
マグネシウムは地球上で8番目に豊富な資源であり、さらに800トンの海水から約1トンの
マグネシウムが採取可能である。枯渇性の低い資源のひとつでもある。
次回は日本発の光触媒、植物由来のバイオプラスチック、植物インク等を紹介する。

2015年9月9日水曜日

日本の環境ベンチャーの炭化装置、中国・西安へ

<日本発の炭化装置、中国・西安市で稼働!!>
有機物量の多い汚泥を含む廃棄物の減容化、および
炭化を目的としたこの炭化装置(実証機)は、わたし
らエコビジネスネットワークが、約15年余り支援し
てきた新潟・環境ベンチャー開発のメイド・イン・
ジャパンだ。
8月初旬に横浜港を出てから上海経由で陸路で内陸
の西安市へ。
小規模なプロジェクトだが、現地民間企業と協働で
の実証操業を踏まえて、実機での本格操業予定だ。

この地域の環境保全への寄与はもちろんだが、静脈
リサイクル産業創出による地域新産業構築のミッシ
ョンも担っている。
まずは一点突破から

2015年9月8日火曜日

注目されるエコマテリアル

注目されるエコマテリアル②

環境に配慮した新素材といわれるエコマテリアルには二つの特長を
持っている。ひとつは素材そのものが環境負荷の少ないこと。例え
ば再生可能で、かつ「カーボンニュートラル」な資源である植物を
利用したバイオプラスチック分野。もうひとつは環境負荷の改善
に寄与する素材が挙げられる。今回は後者の、日本企業が世界市場
を牽引するエコマテリアルの紹介。

●逆浸透膜(RO膜)
地球はブループラネット(水の惑星)と呼ばれている。しかし私たち
が利用できる淡水は2%で、残りの98%は海水である。わずかな淡水
を農業用水、工業用水、そして人間の生命を守る飲料水に利用され
ている。21世紀は「水資源の争奪戦の世紀」といわれている。水資
源の比較的豊富な日本では水資源確保についてはそんな切迫感はな
いが、海外ではそれこそ水資源の確保は重要テーマになっている。
地球規模での深刻な河川汚染、飲料水汚染等が広がる一方なのだ。
そうした大切な水資源確保のためには、これまで以上の高度の水処
理技術が求められている。
その要となるのが水処理膜。世界的な水処理の取組みの拡大と伴に
水処理膜の市場規模は急成長。2025年には4400億円の見込み。
水処理膜は濾過(ろか)可能な物質の粒子の大きさによって4タイプあ
るも、中でも汚水の浄水化、海水の淡水化機能を持つ逆浸透膜(RO膜)
の需要は増大中だ。特に海水の淡水化については普及していたフラッ
シュ(蒸発)型タイプは大量の石油を消費するため、エネルギーコスト、
及びCO2排出量が膨大なのに較べ、逆浸透膜は低減できる。
世界に逆浸透膜を約70%を供給しているのが東レ、日東電工、東洋紡
等の日本メーカーである。


●炭素繊維
石油や石炭等を原料とした化学繊維を炭化させた炭素繊維をプラスチ
ック(主に熱硬化性樹脂)に混入した炭素繊維強化プラスチックが各産
業の素材として用途が拡大中だ。
強度、電導性、耐熱性、化学安定性に優れた軽量素材として、これまで
テニスラケット、釣り竿等のスポーツ用品に始まり、天然ガス車のCNG
タンクの圧力容器の他、医療機器や産業機械の部材、建築分野での補修、
補強等で広範に利用されてきたが、近年は環境負荷に貢献する素材とし
ても需要を伸ばしている。
最近では燃費軽減のために飛行機の機体の軽量化に利用されている。そ
の他、風力発電の風車のブレード、自動車や電車の車体の一部にも使用
され始めている。
将来的に炭素繊維の多孔質を利用した水質浄化にも用途が広がりそうだ。
現在、炭素繊維のリサイクル、脱石油、石炭に向けた技術開発も進む。
この炭素繊維分野でも日本の東レ、東邦テナックス、三菱レーヨン3社が
世界市場で約70%のシェアを占めている。

2015年8月17日月曜日

市場広がるエコマテリアル①

 市場広がるエコマテリアルーそのⅠ


先進諸国中一番の資源小国で、資源の多くを海外へ依存する日本。
輸入した資源を目的に合わせて加工して付加価値を加味させ、新たな素材・材料として創り換える日本企業の開発力は常に世界リードしている。
その新素材の中でも、グリーン化(環境と環境改善)に寄与する新素材(材料)が「エコマテリアル」と呼ばれる。その多くは日本発であることは余り知られていない。今世紀は「環境の世紀」と言われ、人為的な諸要因で地球環境の悪化が顕在化する現在、地球環境悪化の改善を図るため世界市場はグリーン化に進んでいる。したがってそこに提供される製品はグリーン化に向かざるを得ない。このグリーン化製品を支える素材のひとつが「エコマテリアル」であり、世界的に需要が急拡大中なのだ。

●エコマテリアルの起源
エコマテリアルという名称は、環境を強く意識した素材・材料を指す日本独自の造語である。日本企業の素材研究における議論から誕生し、世界へ広まった概念で、その目的は資源の有効活用、及び自然の生態系の確保のための環境汚染物質の排除、汚染浄化等環境の負荷低減が挙げられる。
エコマテリアルの開発に拍車を掛けた取組みとひとつが国際的規格になっている環境適合設計(DfE:環境負荷低減を図るため環境に配慮した製品、及びサービスの設計・企画を行うこと)だった。
ちなみにUNEP(国連環境計画)では。この環境適合設計に求められる考え方として①新しい製品コンセプトの設計②環境負荷の少ない材料の選択③材料使用量の削減④最適生産技術の適用⑤流通の効率化⑥使用時の環境影響の軽減⑦製品寿命の延長⑧使用後の最適処理等がある)。
こうした規格を満たすためには設計上の配慮ばかりでなく、素材・材料の選択が重要なポイントになってくる。そこで出番が回って来ているのがメイド・イン・ジャパンのエコマテリアルという訳だ。

●主なエコマテリアル
逆浸透膜(RO膜)、炭素繊維、光触媒、遮熱塗料、N夜光、LED/有機EL、バイオプラスチック、マグネシウム合金、非スズ系船底塗料、植物インク、水性/紛体塗料、鉛フリーハンダ等数え挙げたら切りがないほど多様だ。
中でも注目株は逆浸透膜。汚水を浄水に、あるいは海水を淡水に変える膜で水資源確保に重要な役割を果たしている。炭素繊維は軽くて鋼鉄以上の強度があり、航空機や自動車の部材に使用され始めている。マグネシウム合金は軽くて丈夫の特性を生かしてパソコン、携帯電話等の筐体に幅広い需要に対応している。

2015年5月17日日曜日

食品廃棄物のリサイクル、乳酸発酵して養豚へ。

<食品廃棄物のリサイクル成功事例・養豚飼料工場見学>

食品加工メーカー等の産業廃棄物、スーパー、給食センター等の厨房で排出される事業系廃棄物等の米、パン、野菜等の食品廃棄物を殺菌、乳酸発酵させた「乳酸発酵飼料」を生産する日本フードエコロジーセンター(相模原市中央区)のリサイクル工場を見学した。
ここの特長は廃棄物処理+飼料生産を兼ねた事業を展開。つまり廃棄物排出事業所から廃棄物処理費をもらいリサイクルした飼料をさらに養豚事業者へ売るという入口と出口の両方で商売していることだ。
日量39トンの食品廃棄物を引き受けて「乳酸発酵飼料」として近隣の養豚場15社へ供給中。通常の飼料価格と比べると2分の1で提供している。
廃棄物はその日のうちに前処理、発酵タンクで発酵させ翌日には新鮮なうちに出荷。そのため異臭ナシ。

見学後、発酵飼料で育った養豚を素材に生姜焼き、とんかつで食事会。
文句なしに美味しゅうございました。
肉質は柔らかく、脂身はさらっとして甘味。「コレストロール値も少なくてヘルシーです」と。
風味はスペイン産イベリコ豚風。
聞けべ、イベリコ豚の飼料である樫の実(どんぐり)同じようにオレイン酸がこの乳酸発酵飼料にも多く含まれているからとのこと。

食品廃棄物リサイクル事業の成功事例のひとつ。
ちなみに日本国内で排出される食品廃棄物は約3000トンと言われている~世界最大の排出量だ。
食料自給率40%満たない日本はまさに犯罪的な国だ。世界飢餓・餓死人口2000万人に及ぶ。

2015年5月6日水曜日

製品の所有から製品の持つ機能利用へ。

広がる製品の所有から機能利用というサービサイジングというビジネスモデル

 従来、製品として販売していたものを、その製品の持つ機能を提供することで代金を得るというビジネスモデルが広く普及、定着しつつある。いわゆる「サービサイジング」というサービス業のひとつの形態で、主にモノ(製品)を販売してきた従来のビジネスに対して、それに係わるサービスの提供を主に収益源とするビジネスである。
 具体的に言うと、わたし達が家電製品や自動車などの製品購入にあたり、購入目的が製品そのものの「所有」ではなく、製品の持つ「機能」を利用することが目的である。エアコンならば、エアコンがもたらす快適な室温、自動車ならモビリティ(場所移動)という機能を利用したいからこそ製品を購入するのである。言ってみれば製品はサービスを提供するための手段であり、ポイントはどんな製品を選んで、如何なるサービスを提供して、顧客を満足させるかにかかっている。
 一例をあげると、複写機メーカーは、特に法人向けには複写機自体を売るのではなく、複写機の持つコピー機能を提供している。法人のオフィスに複写機を設置して、コピー機能が発揮・維持できるための定期的な保守点検(メンテナンス)、新機種提供による機能更新、コピーに必要な紙やトナーなどの周辺部材の提供。その対価としてサービス料を受け取る仕組みだ。
  このサービサイジングのサービス形態にはリースやレンタル、シェアリングなどが挙げられる。最近ではシェアリングが新たなビジネスモデルとして注目されている。中でも、オフィスや自動車などのシェアリングビジネスが都市部中心に拡大している。

 ●環境負荷の低減と顧客のメリットも大きい
 サービサイジングには「グリーン・サービサイジング」という環境負荷の低減に寄与するビジネスモデルも。サービサイジングの仕組みの特徴として、製品の所有権がサービス提供者サイドにあるため、使用済み製品が提供者の元に戻ってくるという使用済み製品の適正処理、資源循環(リサイクル)の促進にも寄与するのである。
 松下電器(現パナソニック)が02年に開発した「あかり安心サービス」はグリーン・サービサイジングの一例だ。松下電器は蛍光灯生産量ではトップメーカーで、これまで蛍光灯をユーザーに売ってきた。その中で蛍光灯を大量に使用する大規模事業所や工場などが「あかり安心サービス」の契約を結ぶと、契約期間中なら定額料金で蛍光灯の貸与からメンテナンス、使用済みの蛍光灯の回収、委託処理業者への 回収指示、処理に伴うマニフェストの発行、保管・管理・適正処理確認までのトータルサービスを提供するものだ。最大の特長は蛍光灯を売るのではなく、あくまで蛍光灯の所有権はメーカーに残したまま「あかり」という機能を提供する点にある。低価格競争が 進む中で発想され機能提供サービスの一形態でだが、メーカーは使用済みの蛍光灯の回収・適正処理が行えて、一方顧客にとって経費節減、廃棄物処理が円滑に行えるというメリットがあり、相互にウイン、ウインの関係を取り結べるのである。

2015年4月14日火曜日

今年も始まりました

<今年も始まりました>

昨日13日冷たい雨降るも、新学期始まったばかりのキャンパスは、
たくさんの学生で溢れていた。
今年も経済、経営学部の3,4年生を対象に通年で「環境ビジネス」
講座を担当。最終受講者数はまだ未定だが、約180名程度か?
例年通り、学生に「今一番関心の深い環境問題は?」を書いても
らった。
圧倒的に1番多かったのは福島・東電の原発事故に絡む放射能汚染
問題だった。中でも海洋への汚染水流出への危惧が目立った。
2番目がPM2.5と中国の大気汚染問題。
3番目が異常気象を含む地球温暖化問題。
その他、沖縄・辺野古移転に伴うサンゴ礁破壊、食品廃棄物問題
へと続く。
次に環境ビジネスの関心について聞いたところ資源・エネルギー
問題に関する回答が8割以上を占めていた。
わたしが想定していた以上に学生らの反応は時に敏感だった。
今年はこうした学生らの想いを踏まえて授業開始!!である。

2015年4月5日日曜日

福島の森林再生へ向けて、さて始動!!

<福島の森林再生支援へ向けて、さて始動!!>

2011年3月東電原発事故でセシウム等の他放射能汚染された福島県内の森林の除染はごく一部に限られ、ほとんどが手かずのまま放置されている。
森林再生への障害、福島への帰還を目指す住民らの生活、健康不安、農業等他の産業への放射能禍の風評被害を助長する等の要因となっている。
 森林面積が全国4位(県面積の約55%)という森林は現在未整備の結果、土砂崩れ、土砂流出、空中飛散等による大気、水域等への放射性物質の拡散等は自然界、人間の健康被害への影響も深刻化している。特に水域への影響は問題視され始めている。隣県群馬では利根川水系の放射線量が上昇傾向にある。

 現在、緊急に求められている対策は現状に即した、より効率的な方法を検討すると伴に具体的な方向性を打ち出すことである。
 そうした状況下で、わしたしらはエコビジネスネットワークは各事業と伴に新たな方法、事業に拠る森林再生支援へ向けて動き始めた。
 これまで数多くの知見を検討、整理したうえで、従来の汚染土壌を取り除き収集して保管するという方法は採用せずに、放射能物質を吸着・固定させ流出を防止する方法を取る。国内でも産出する鉱物を特殊加工したエコマテリアル(イオン交換率300)の使用がポイントで、放射線量の大幅低減が狙い。

 森林地域は3区分したうえで、②と③を対象地域とする。
 ①住居、工場等の近隣の森林(特措法による林縁20m程度囲)
 ②森林資源を利用する生活者、事業者が日常的に入る森林(きのこのほだ場 山菜採取場、炭焼き場、キャンプ場、林間施設等がある範囲)
 ③上記以外の森林(間伐もできずに放置。下草がが著しく衰退している範囲)

 ②、③の森林を地域事情に沿って、対象地域を絞り込み実証モデルを創出。実証モデルの成果を踏まえて、他の地域へヨコ展開する計画だ。
 この森林再生に拠って、林業再生、地域産業の復興に併せてそこに住む人心の復興へと繋がれば、と考える。
地域行政、地場事業者、大学との包括的な事業連携可能な事業体
を目下のところ構築中だ。

2015年3月12日木曜日

環境ビジネス市場の成長要因 その②

拡大する環境ビジネス市場の成長要因 その②

国内の環境ビジネス市場は現在参入企業数は1万社に及び、事業アイテムは約900と全産業に裾野を広げている。まさに全員参加型の様相を呈しているのだ。それが市場の成長要因のひとつになっている。

市場参入にあたっての四つの参入形態

 第一が、「生産ラインのグリーン化」である。すなわち生産ラインを省エネ化したり、生産ラインから極力廃棄物を排出させない、またリサイクル化を図る、汚水を外部に出さないとともに水質汚濁を防止するなどである。この取り組みにおいて各企業では多く環境エンジニアリング部を設け、ゼロエミッション、省エネ、有害物質排出制御を行っており、そこを分社化する大手企業も珍しくはない。そしてここで創出したグリーン化技術やノウハウ・経験を他社に向けて外販するビジネスはいま始まったことではない。

 第二が、「既存製品のグリーン化」だ。現在世界で取引きされる製品は、急速にグリーン化が進められている。低公害自動車や省エネ家電製品はあたりまえ、という昨今である。すなわち従来製品の省エネ・省資源化、リサイクル素材の採用、有害物質の使用抑制など環境に配慮した製品づくりだ。これにより、環境に対する負荷はより低減できる。

 第三が、「コア技術(事業)の環境技術(事業)」への応用」だ。これは、中小事業者によくみられるケースで、自社に蓄積されたコアすなわち要素技術を環境技術へ応用していくスタンスである。その結果、例えばリサイクル装置を作る、といったことだ。半導体の主役であったSi(シリコン)で太陽電池を作ったケースは、このビッグな典型例としてあげられよう。

 そして第四が「M&A(Mergers and Acquisitions)、特許買収」だ。これはある企業が、環境技術が得意な別企業を買収するようなケースで、買収に伴い、関連特許の買収もビジネス参入上、強力な武器になってくる。最近では、省エネ家電等のメーカーであるパナソニックが三洋電機を買収した典型例があげられる。三洋電機はリチウムイオン電池など二次電池のメーカーとして知られる。例えば自然まかせで、電力の質が不安定な再生可能エネルギーを蓄電池に貯めて利活用することなどを考えると、大きな需要が期待され有意義なM&Aといえそうだ。

環境ビジネス創出に向けてのさまざまな追い風

 環境ビジネス展開上においては、前述したように、関連技術及び製品が豊富かつ多彩で高嶺市況にあり、追い風状態といえる。一方、かつてB to G(公共事業)主流の頃と比べてキーとなる価格など関連情報が広く公開されるようになり、参入をめざす企業には条件がよくなってきた。加えて世界の経済市場のグリーン化ともリンクしてきている。
 国の環境政策もグリーン化に向けて邁進し続けている。21世紀は、環境条約の時代に入ってくるかもしれない。というのも、PM2.5の問題一つをとっても、とても一つの国だけで解決しうる問題ではない。悪化の一途をたどる地球環境は、例えば近隣数カ国が条約を締結して、問題解決に向けて対処していかなければとても解決しうる問題ではないのだ。国際間レベルで地球環境の悪化に対処するには、日本の50年にわたって培われてきた世界に誇る環境技術が強力な武器であり、そしてビジネスチャンスも潜んでいる。

 法的規制も見逃せない。これは、例えば食品廃棄物に関しリサイクル法制化された場合、これまで焼却していた食品廃棄物に対する対策が必要となる。そのためにはリサイクル装置が必要になり、そこに環境ビジネスが育つ芽が出てくる。一つの環境に関する法的規制がかかると、そこには確実に環境ビジネスが育ってくるのである。また、環境ビジネス立上げ時には、逆にこれに伴う規制が現存する。たとえば環境ビジネス参入に際して、ビルをリニューアルしたい場合、電気事業法や建築法が絡んできてこのハードルは意外に高い。そこでハードルを下げて参入しやすくする環境ビジネスは加速するであろう。

 また、企業や自治体、大学など各事業の環境マネジメントシステム、例えばISO14001やエコアクション21などの認証取得による継続的な環境へのダメージ改善を行うためには、さまざまな環境技術ソリューションが必要とされ、やはりビジネスチャンスが生まれやすくなろう。前述、B to B二つのパターンがここに相当する。

 さらに、環境配慮型製品を優先的に購入していくという、グリーン購入がある。例えば某文具メーカーの製品はすでにその大半がグリーン製品を生産しているほどで、やはりここにも環境ビジネス創出の芽は育っていくにちがいない。

 そして、環境配慮型商品への志向が高いグリーンコンシューマーの拡大が及ぼす影響も大きい。商品の購入や利用、廃棄にいたる生活全般に亘る商品の市場における台頭など、環境ビジネス創出の大きな要因となっている。

 このように、環境ビジネス創出のチャンスは追い風的に存在するが、ビジネスエリアはわが国の中だけにとどまらず絶えず世界に向けてビジネスチャンスの目利きを研ぎ澄ませておくことが肝要であろう。そうでないと、ガラケイならぬ“ガラエコ”への懸念が伴うからだ。わが国は、これほど豊富で多彩な環境技術ソリューションを保有しているので、世界への積極的な働きかけを行っても不思議ではない。わが国のこうした技術の海外における認知度はまだまだの部分が多いという。その点を充足させることがわが国の国益にもつながってくるし、世界からの信頼感を得ることにもなってくるはずだ。

環境ビジネス成長要因 その1


 環境ビジネス市場規模は現在、85兆(2012年)に及び雇用規模は約240万人に達している。2020
年には約100兆円という予測も出ている。
 その成長要因として国内はもちろん、今後ますますクローズアップされるであろう発展途上国を中心とした公害対策等を目的とした海外市場が挙げられる。これらの国々では、わが国の公害に対処する技術を始め省エネルギー技術、またリサイクル技術など、実績ある環境技術の貢献が期待できるはずである。特に発展途上国では、これから大気や水質、土壌などの汚染といった公害問題が懸念される。こうした国々の公害の改善対策にわが国の公害対策技術、ノウハウ、経験等が生かされてくるものと思われる。こうした分野の市場は未開拓分野多く残され、市場開拓が進んでいないのが実情なので、ここでわが国の環境技術が市場のリーダシップをとっていくことは十分期待できそうだ。
 すなわち、現在の市場規模に、例えば海外ビジネス分の20~30兆円が加わることは、まったく夢ではない。ただし、このときの課題は、自動車、家電メーカーの場合は常に海外市場相手に慣れているのでグローバルな戦い方の術を知っているが、環境技術の場合は、期待される市場が十分見込まれるとはいっても、未経験に近い。未知の部分が大きいので、決して予断は許さない。重要なことは、日本には環境に関わるビジネス性をもった技術は前回述べたようにすでに数多く用意されているので、海外市場ニーズに対してこれら有利な条件を上手に生かすことだ。

公害やオイルショック等過酷な体験で培われてきたわが国の環境技術

それでは、わが国の環境技術は、今日までどう醸成されてきたのであろうか。
 わが国は、世界に類を見ない深刻な公害、オイルショックなどを体験してきている。日本が経済成長を始めた1960年代における公害問題が表面化した頃は、あの水俣病を始めイタイイタイ病、四日市や川崎の大気汚染など、世界に冠たる「公害大国」とまでいわれた時代であった。実はこのときわが国では、国と産業界が官民一体で約30兆円を投入、公害への対処技術開発に取り組んだのである。過酷な実体験に基づき、曲がりなりにも公害を克服した対策技術が現在、 50年の歴史に根ざした日本が世界に誇る環境技術の「礎」になっているといっても、過言ではない。
 一方、1970年代は中東戦争が勃発、わが国もそれによる第一次オイルショックを体験した。すなわち、これまで不自由なく恩恵を受けてきた石油が海外から入ってこなくなったのだ。そこで当時、通商産業省(現・経済産業省)が取り組んだ対策が、第一に石油の備蓄、そして第二に省エネルギーである。実は、いまでこそ当たり前になったいわゆる「省エネ」という言葉は、この時点において誕生したのだ。だが当時の省エネは、例えば節電など、極力電力消費を控えるという“節約”に等しいものであった。この省エネへの取組みが、「ムーンライト計画」(1978年~)と呼ばれた。そして、このとき通商産業省は、「サンシャイン計画」(1974年~)も開始した。主なものに石油エネルギーの代替として太陽光発電開発への積極的な取組みがある。同時に、今注目されている家庭用、自動車向けの燃料電池開発への取組みも行った。なお、省エネに関する技術は40年という歴史に根ざしている。
 このように、当時のエネルギー政策は、政府・通商産業省が国の舵取りをしっかりと行っていた、といまでも業界の評価は高いものがあるようだ。現在のように方針のぶれるエネルギー政策とは大違いである。

キーとなる環境ビジネスへの4つの参入形態

環境ビジネスの形態は、かつてはB to G(Business to Government)すなわち公共事業が中心であった。現在、本流はB to B(Business to Business)だ。このB to Bにも二つのパターンがあって、第一が各企業における環境改善活動である。すなわち生産ラインのグリーン化あるいは自らが販売する製品のグリーン化などがあるが、このためにさまざまな関連装置が必要とされる。これは大きな市場として期待される。第二は、各企業が環境ビジネスに参入したい場合だ。たとえば、大規模太陽光発電・メガソーラの事業に取り組みたい場合、当然大量の太陽電池が必要になってくる。そこに環境ビジネス関連のベンダーにはビジネスチャンスが生まれてくる。
 さらに今後大いに期待される新しい市場はB to C(Business to Consumer)、すなわちコンシューマ(消費者)向けだ。食や毎日使用する生活用品などの安全性で、環境や健康によいもの、それほど資源を使用しないものなどである。こうしたものを使ういわゆるグリーンコンシューマ(緑の消費者)は、都市部を中心に増殖しつつある。もちろん、あの東日本大震災以降も影響はしている。まだ、未開拓分野ではあるが、拡大の兆候はみられる。

2015年3月1日日曜日

今年も、いちおう更新。。

1996年(平成8年)に取得した環境省・環境カウンセラー登録
更新(2月27日締め切り)を今年もギリギリになって申請完了。
毎年、年間の活動実績等報告書の提出が求められているこの
制度が創設されたのが96年だから、環境カウンセラー歴かれ
これ20年ってわけだ。
今も同じだと思うが当時取得にあたっては5年以上の環境・公
害対策に係わる活動経験が条件だった。


ちなみにわたしらエコビジネスネットワーク(1988年設立)は、
環境改善活動に経済的なインセンティブを付加させる環境産業
・事業・ビジネス創出。。多くの企業参加よってその活動を持続・
拡充を図ることがミッションで、活動していた。
取得時、設立8年目のエコビズは積極的に各地へ出向いて環境
ビジネスに拠る地域経済活化、他にコンサルとして企業に対し
て環境ビジネス創出支援、情報発信基地(国内外向けに月刊レポ
ート作成、書籍発刊等)として活動、とにかく大忙しの時期だった。

その一員のわたしが環境カウンセラー取得条件を計らずも充た
していたと思われる。

ま、ともかく長きにわたって環境カウンセラーを務めてきたなぁ。
と思う今回の更新手続きだった。

2015年1月13日火曜日

環境ビジネス 全産業に裾野広げる

<環境ビジネス ここがポイント①>

全産業に裾野を広げる市場規模

我が国の環境ビジネスの市場規模は着実に拡大している。環境省の調べによると、2012年の市場規模は約85兆円、それに伴う雇用規模は約240万人に達している。
この市場規模は、常に注目を浴びる我が国は自動車産業の50兆円強、また建設産業14兆円弱の市場規模と較べてみると、一目瞭然。如何に巨大産業としてきてしているかがお分かりになるだろう。
新聞等では原発再稼働、脱原発の再生可能エネルギー、スマートグリット、スマートハウス、エコカー等々のエネルギー関連の報道がやたらと目に付くが、環境ビジネスはこれらを含めて、もっと広くかつ深く、着実に市場を広げているのだ。言ってみれば各産業に裾野を大きく広げるかたちで成り立っている。
例えば、農業、林業、畜産、水産の第一次産業ではバイオマス資源を利活用に始まり、有機系廃棄物のリサイクル、有機農業を軸としたパーマネントアグリカルチャー、国内産材・間伐材を利用した建築資材等の他、地の利を活かした太陽光、風力、小水力発電等が挙げられる。また製造業、建設業、鉱業の第二次産業の製造業では、さまざまな再生可能なエネルギー、省エネ、リサイクル環境装置、蓄電池、燃料電池等の機器の開発・販売、建設業では環境配慮型のビル建設、建築廃棄物リサイクル等があり、鉱業では廃家電、廃自動車等のリサイクルの他に最近では電子・情報機器の希少金属の回収やリサイクル等の事業が拡大しているところ。この第二次産業が現在、環境ビジネスの本流で売上の60%以上あるのでは、と思われる。そして電気、ガス、流通、金融等サービス業から成る第三次産業では再生可能なエネルギー、省エネ等の事業、環境配慮型製品の流通、環境広告等の他、さまざまなグリーン・コンサル分野が広がっている。最近においてはスマートグリットに係わるBEMS(Building Energy Management System)、HEMS(Home Energy Management System)の設計・導入等の事業が次第に拡大してきている。このように環境産業は全産業にわたり、全員参加型のビジネスに発展し、参入企業数は1万社を超え、事業アイテムは900にのぼり、ここに揺るぎない成長要因が隠されいるの