2015年5月17日日曜日

食品廃棄物のリサイクル、乳酸発酵して養豚へ。

<食品廃棄物のリサイクル成功事例・養豚飼料工場見学>

食品加工メーカー等の産業廃棄物、スーパー、給食センター等の厨房で排出される事業系廃棄物等の米、パン、野菜等の食品廃棄物を殺菌、乳酸発酵させた「乳酸発酵飼料」を生産する日本フードエコロジーセンター(相模原市中央区)のリサイクル工場を見学した。
ここの特長は廃棄物処理+飼料生産を兼ねた事業を展開。つまり廃棄物排出事業所から廃棄物処理費をもらいリサイクルした飼料をさらに養豚事業者へ売るという入口と出口の両方で商売していることだ。
日量39トンの食品廃棄物を引き受けて「乳酸発酵飼料」として近隣の養豚場15社へ供給中。通常の飼料価格と比べると2分の1で提供している。
廃棄物はその日のうちに前処理、発酵タンクで発酵させ翌日には新鮮なうちに出荷。そのため異臭ナシ。

見学後、発酵飼料で育った養豚を素材に生姜焼き、とんかつで食事会。
文句なしに美味しゅうございました。
肉質は柔らかく、脂身はさらっとして甘味。「コレストロール値も少なくてヘルシーです」と。
風味はスペイン産イベリコ豚風。
聞けべ、イベリコ豚の飼料である樫の実(どんぐり)同じようにオレイン酸がこの乳酸発酵飼料にも多く含まれているからとのこと。

食品廃棄物リサイクル事業の成功事例のひとつ。
ちなみに日本国内で排出される食品廃棄物は約3000トンと言われている~世界最大の排出量だ。
食料自給率40%満たない日本はまさに犯罪的な国だ。世界飢餓・餓死人口2000万人に及ぶ。

2015年5月6日水曜日

製品の所有から製品の持つ機能利用へ。

広がる製品の所有から機能利用というサービサイジングというビジネスモデル

 従来、製品として販売していたものを、その製品の持つ機能を提供することで代金を得るというビジネスモデルが広く普及、定着しつつある。いわゆる「サービサイジング」というサービス業のひとつの形態で、主にモノ(製品)を販売してきた従来のビジネスに対して、それに係わるサービスの提供を主に収益源とするビジネスである。
 具体的に言うと、わたし達が家電製品や自動車などの製品購入にあたり、購入目的が製品そのものの「所有」ではなく、製品の持つ「機能」を利用することが目的である。エアコンならば、エアコンがもたらす快適な室温、自動車ならモビリティ(場所移動)という機能を利用したいからこそ製品を購入するのである。言ってみれば製品はサービスを提供するための手段であり、ポイントはどんな製品を選んで、如何なるサービスを提供して、顧客を満足させるかにかかっている。
 一例をあげると、複写機メーカーは、特に法人向けには複写機自体を売るのではなく、複写機の持つコピー機能を提供している。法人のオフィスに複写機を設置して、コピー機能が発揮・維持できるための定期的な保守点検(メンテナンス)、新機種提供による機能更新、コピーに必要な紙やトナーなどの周辺部材の提供。その対価としてサービス料を受け取る仕組みだ。
  このサービサイジングのサービス形態にはリースやレンタル、シェアリングなどが挙げられる。最近ではシェアリングが新たなビジネスモデルとして注目されている。中でも、オフィスや自動車などのシェアリングビジネスが都市部中心に拡大している。

 ●環境負荷の低減と顧客のメリットも大きい
 サービサイジングには「グリーン・サービサイジング」という環境負荷の低減に寄与するビジネスモデルも。サービサイジングの仕組みの特徴として、製品の所有権がサービス提供者サイドにあるため、使用済み製品が提供者の元に戻ってくるという使用済み製品の適正処理、資源循環(リサイクル)の促進にも寄与するのである。
 松下電器(現パナソニック)が02年に開発した「あかり安心サービス」はグリーン・サービサイジングの一例だ。松下電器は蛍光灯生産量ではトップメーカーで、これまで蛍光灯をユーザーに売ってきた。その中で蛍光灯を大量に使用する大規模事業所や工場などが「あかり安心サービス」の契約を結ぶと、契約期間中なら定額料金で蛍光灯の貸与からメンテナンス、使用済みの蛍光灯の回収、委託処理業者への 回収指示、処理に伴うマニフェストの発行、保管・管理・適正処理確認までのトータルサービスを提供するものだ。最大の特長は蛍光灯を売るのではなく、あくまで蛍光灯の所有権はメーカーに残したまま「あかり」という機能を提供する点にある。低価格競争が 進む中で発想され機能提供サービスの一形態でだが、メーカーは使用済みの蛍光灯の回収・適正処理が行えて、一方顧客にとって経費節減、廃棄物処理が円滑に行えるというメリットがあり、相互にウイン、ウインの関係を取り結べるのである。