2018年10月5日金曜日

プラごみの海洋汚染が深刻化

プラスチックごみの海洋汚染が深刻化

プラスチックのごみが海洋汚染が拡大し、新たなる地球環境問題として浮上。EU(欧州連合)は2030年までに使い捨てプラスチック製品の使用禁止を打ち出した。主要7か国(G7)首脳会議でも議論を読んだ。各国で生産されるプラスチックのごみが毎年、約800万㌧が海を浸食中で、波力や紫外線によって分解された微細な粒子(5㍉以下のものをマイクロプラスチック)による生物や生態系への悪影響が深刻化している。


●深刻な魚介類への悪影響
廃プラ(プラスチックごみ)の海洋汚染は今に始まったことではない。1970年代には海鳥に釣り用の糸が絡んで飛べなくなったり、海亀がプラスチック片を餌と間違えて飲み込んで死んだ事例が多く報告されている。90年代後半には海流によってプラスチックごみが集積してできた「太平洋ごみベルト」が問題視された。その面積は日本の国土の役4倍だと言われている。そして今年の6月にカナダで開催されたG7首脳会談では海洋に漂うプラごみを減らす数値目標を盛り込んだ「海洋プラスチック憲章」が採択された。ちなみに日本政府は米国政府と共にこの憲章の署名を見送っている。
世界経済フォーラムの調査結果では、海洋へ流出するプラごみは年に約800万㌧。海に漂う1億5000万㌧余りだと言う。この状態を放置しておくと「50までに魚介類をの総量を超える」と警告している。更に水深6000㍍よりも深いところで発見されたごみの90%は使い捨てのレジ袋やペットボトルだったと言う。深刻なのはこうしたプラごみのマイクロプラスチックが有害な化学物質と吸着。プランクトンや魚介が食べて有害物質は体内に蓄積・凝縮される。食物連鎖で人間を含む生物に悪影響を及ぼすのは必死だと思われる。かっての水俣病の世界的な再来だ。


●増え続けるプラごみ
国連環境計画によると世界で消費されるレジ袋が年に5000億枚。飲料容器としてのペットボトルについては1分間に100万本消費される。先進国ではプラスチックのストロー等の使用中止やリサイクルの向上を目指しているも、それらの使い捨て製品はわずか9%に過ぎないのだ。これまで何度も使い捨てプラスチックを減らす取り組みが行われてきたが、現状は減るどころか増え続けるばかりだ。コンビニで使用するレジ袋もこのところ一段と
増えている。プラごみの多く出すのは新興国だが、これまで先進国の廃プラを輸入してきた中国も規制に乗り出した。日本を始め先進国も一国だけの対策だけではなく、温暖化対策と同様に地球規模の取り組みが今こそ求められているのでは。


●グリーンプラの新産業の創出チャンス
一部のプラごみ対策として従来の石油系プラスチックから、天然・植物由来の紙や生分解性プラスチック(グリーンプラスチック)の使用促進の動きが出てきている。新素材開発では世界のトップランナーを走る日本の素材開発メーカーには大きな商機を迎えている。環境に配慮したグリーンプラスチックの技術はすでにスタンバイ状態とみる。市場に見合うコスト縮小も時間の問題モンダイなのだ。


●閑話休題
人間の果てしない欲望の延長上に競い合うGDP(国民総生産)による尺度は限界値にある。相当以前に熱帯林を伐採し、木材を輸出してGDPを拡大した国々があった。。しかし一方で緑・森林資源を減少した国は国力が長らく停滞している。わたしらは今こそ、従来のGDP至上主義からの脱皮が求められている。今