2018年11月11日日曜日

バイオマスエネルギー 環境ビジネスここがポイント 2001.05.20 -2018.10.13

廃棄物処理として新エネルギー源の一石二鳥?として注目されているのがバイオマスエネルギー。バイオマスとは有機生物体をエネルギー資源とする考え方で、植物資源のほか、し尿ふん尿、生ごみなど動植物由来の廃棄物なども含まれる。

現在考えられているバイオマスエネルギーの利用法は、焼却熱利用や熱分解によるガス化、メタン発酵、アルコール発酵など。今のところ利用技術としては、直接焼却による熱利用及び、有機廃棄物のメタン発酵など一部が実用化されているにとどまるが、食品工場では食品廃棄物リサイクル法への対応に向け、メタン発酵技術を採用する事例が増加中。2001年度の国の環境関連予算でもバイオマスエネルギーの技術開発及び普及についておよそ27億円が編成されている。 一方、厚生労働省ではし尿と生ごみなどを併せて処理し、メタンガスやコンポストに再資源化する「汚泥再生処理センター構想」を打ち出し、98年度からの新規のし尿処理施設についてリサイクル型にのみ補助金を交付することにした。

そのため自治体ではごみ処理とし尿処理の両面からリサイクルできる仕組みを模索中。更に法制化を検討中の「自然エネルギー促進法」でも、太陽光、風力発電と並びバイオマスエネルギーの普及促進が謳われている。 

食品廃棄物が年間1900万トン、建設現場から廃棄される廃棄材は年間1700万トン。現在廃棄物として処理されているバイオマス資源だけでもこれだけの量にのぼる。さらに現在の日本の森林面積は約2500万ヘクタール。年間に成長する森林資源は約1億立方メートルでスウェーデンと大差ない。

通産省などの資産によると日本では年間、約600万立方メートルも間伐材や枝材が山間部に放置されたまま。これらをエネルギー資源と捉え、計画的に伐採と植林を進めればエネルギー源の多様化と山林の保全を両立できる。衰退の一途を辿る林業振興にもつながる。