2019年1月25日金曜日

環境思想の二つの潮流

<環境思想の二つの潮流>

現代の環境・概念と言われるものは、大きく「皮相的環境主義」(Shallow Environmetalizm)と「ディープ・エコロジー」(Deep Ecology)の二つの流れに分けられる。
この考え方は、1970年代にノルウェーの哲学者アルネ・ネスによって提唱された。
●皮相的環境主義は、もっぱら人間のために自然環境をより効果的に支配し、かつ管理することに関心を寄せる。
一方●ディープ・エコロジーは、地球生態系全体のバランスを保つための人間の役割を認識し、それを重視する立場に立つ。言わば、人間中心の環境主義に疑問を呈する立場だ。

環境破壊、最近では廃プラスチックの海洋ごみ問題への対応を例にとると、対処療法的な代替品への切り替えや回収・燃焼に走るのが皮相的環境主義だと。
それに対して環境破壊、廃プラの海洋ごみについて本質的な要因から考え直して行こうというのがディープ・エコロジーなのだ。プラスチックの使用有無、大量生産・大量消費・大量廃棄等の問い直しまで考える。

90年代に入ってからディープ・エコロジーに根ざした「環境監査」「環境マネジメントシステム」の誕生の契機になったが、安易に「自然との共生」なんてお題目ばかりの現代社会において、その道筋はまだまだ遠い。
現在の環境への取り組みは、ディープ・エコロジーからの発想と、生活の快適さ求める生活環境(サランディング)からの発想の二つの潮流が形成されている。「果てしのない人間の欲望を開発」する欲望開発型のサランディングへ傾注している。
地球は、人間以外に生きとし生ける生物と共生の上に成り立っていることを問い直す時代だ。
「21世紀は環境の世紀」なのでは、と。

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