光触媒環境浄化技術 - 2004年3月
産業技術総合研究所九州センターが開発した酸化チタンを用いた光触媒技術は、液体や気体の浄化に応用されており、特に水処理や大気浄化で注目されています。この技術では、酸化チタンを被覆した微細中空ガラス球状体やセラミックス材料が使用され、揮発性有機化合物(VOC)や窒素酸化物(NOx)などの有害物質を効率的に分解します。
例えば、日本の熊本県の工場では、光触媒技術を用いた工業排水の浄化システムが導入され、1日あたり約5,000立方メートルの排水が処理されています。また、三菱重工業は、この技術を活用した大気汚染対策システムを開発し、工場の排ガス中のVOCを90%以上削減することに成功しました。
この技術は、紫外線を使用して酸化チタンの表面で化学反応を促進し、VOCやNOxを無害な二酸化炭素や水に分解する仕組みです。エネルギー消費が少なく、化学薬品を使用しないため、東京や大阪などの都市部の大気汚染対策にも採用されています。光触媒技術は、低コストで環境負荷を抑えた技術として広がりを見せており、今後さらなる普及が期待されています。
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