Thursday, November 27, 2025

選ばれる労働者たちの季節――マルクス「資本論」と日本的雇用と能力(1970年代-2020年代)

選ばれる労働者たちの季節――マルクス「資本論」と日本的雇用と能力(1970年代-2020年代)

日本の就職活動は、しばしば個人の能力ではなく制度的な枠組みによって結果が左右される。新卒一括採用、年功序列、長期雇用といった慣行は安定を提供するように見えながら、内部では「誰が選ばれ、誰が選ばれないか」という選別が静かに働く。求職者は本来の能力よりも企業が求める型へ適応することを優先させられ、主体性が制約される。

この構造をマルクス「資本論」の労働疎外論に重ねると、現代日本の雇用慣行に潜む本質が明らかになる。労働者が労働から疎外される現象は、今日では「能力の疎外」として表れ、創造性よりも画一的な能力像を演じることが求められる。これは制度による主体性の管理である。

さらに日本企業は「即戦力」を掲げつつも、実際には未経験者の長期育成を前提にしながら、形式的なスクリーニングで大量の学生をふるい落とす。評価されるのは個々の能力ではなく、制度への適応度であり、労働者は「選ぶ」よりも「選ばれる」ことを中心に置く働き方へと追い込まれる。

WEB上でも、日本型雇用の硬直性、若年キャリア形成の困難、ジェンダー格差、転職障壁などが繰り返し指摘されており、これは制度が労働の本質を規定してしまう深層の問題である。

こうした背景を踏まえれば、日本的雇用は能力の自由な発揮を支えるよりも制限する仕組みとして働く。「選ばれる労働者」という構図は現代日本の労働疎外の核心であり、マルクスの視点が今も有効であることを示している。

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