Monday, September 29, 2025

中国の酸性雨問題(北京、上海、重慶、九州地方)-1994年10月

中国の酸性雨問題(北京、上海、重慶、九州地方)-1994年10月

#### 1990年代(1994年)
1990年代、中国は急速な工業化を背景に石炭消費が増加し、年間約2300万トンの硫黄酸化物(SOx)が排出されました。特に、北京、上海、重慶などの工業都市での排出量が多く、大気汚染が深刻化しました。SOxが大気中で水分と結合することで酸性雨が発生し、国内の森林や農作物への被害が拡大しました。日本の九州地方にも酸性雨が降り、1994年には年間約150mmの酸性雨が記録されました。この時期、中国政府は酸性雨の問題を認識し、初の脱硫装置導入を決定しましたが、導入は一部の工場に限られ、依然として全国的な対策には至りませんでした。

#### 2000年代
2000年代には、中国の石炭消費量がさらに増加し、年間約2500万トンのSOxが排出され、酸性雨の被害は拡大しました。特に、江蘇省や浙江省の工業地帯で酸性雨による農作物被害が深刻化し、年間被害額は約150億人民元に達しました。中国政府は対策を強化し、2006年には3000以上の発電所で脱硫装置の設置が義務付けられました。また、排ガス中のSOx濃度を削減するため、最大30%の削減目標が設定されましたが、経済成長に伴う石炭消費の増加により、酸性雨問題の解決には至りませんでした。

#### 2010年代
2010年代には、酸性雨による被害は年間約2500万トンのSOx排出量と共に減少し始めました。中国政府は2013年に発表した大気汚染防止行動計画の下、主要都市でのSOx削減を進めました。2015年までに、北京、天津、上海などの都市ではSOxの排出量を40%削減することに成功し、酸性雨の発生も減少しました。また、風力発電や太陽光発電などの再生可能エネルギー導入も進み、2017年には石炭消費量が減少に転じました。しかし、依然として中国国内の多くの地域で酸性雨による農業生産への影響が残り、年間被害額は約100億人民元に達していました。

#### 2020年代
2020年代に入り、中国政府はカーボンニュートラル目標を掲げ、石炭依存から脱却するための具体的な政策を打ち出しました。再生可能エネルギーの割合を2025年までに20%まで引き上げ、2030年までにSOx排出量を60%削減する目標が設定されました。2021年には、酸性雨の年間被害額が50億人民元にまで減少し、特に都市部での大気汚染は改善しました。さらに、電気自動車の普及やエネルギー効率化技術の導入により、排出ガスの削減が進み、2025年までに再生可能エネルギーによる発電量が全体の25%を占める見込みです。

このように、1990年代からの急速な工業化に伴う酸性雨問題は、中国政府の対策によって徐々に改善されていますが、依然として地方都市や農村部では被害が続いており、今後も持続的なエネルギー転換と国際的な協力が必要とされています。

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