モンティホール問題と条件付き確率
「モンティホール問題」(Monty Hall Problem)は、「あるゲームでドアを選び、司会者がハズレのドアを開けたあとで、選択を変えるべきか?」という思考実験ですが、この問題は「持っている情報によって確率が変わる」という、いわゆる条件付き確率の代表例としてよく紹介されます。
ゲームのルールはこうです。3つの扉があり、そのうち一つに賞品(たとえば車)、他の二つにはヤギ(ハズレ)が隠されています。まずあなたは扉のひとつをランダムに選びます(この時点で当たりの確率は1/3)。次に司会者(Monty Hall)が、あなたが選ばなかった残り二つのうち、必ずヤギのある扉を1つ開けます。そして「残ったもう一つの扉に変えますか?」と聞かれる――という流れです。
直感では、「残った2枚の扉なら半々(1/2・1/2)でしょ」と思いがちですが、それは誤りです。はじめに当たりの扉を選んでいた確率が1/3、ハズレを選んでいた確率が2/3だった。司会者がハズレをあぶり出してくれたことで、ハズレを選んでいた2/3の「当たりではない可能性」が、残った別の扉一枚にすべて集約される――この情報の変化が、扉の当たりやすさを変えるのです。結果、「選んだ扉のまま」が当たりである確率は依然として1/3のまま、だが「扉を変える」は2/3の当たりを引き当てられる可能性がある、つまり扉を変えた方が"当たりを勝ち取る確率が倍"になる、という結論が得られます。
このようにモンティホール問題が示しているのは、「選択肢が"変化"していないように見えても、その裏にある情報構造(誰が知っていて、どの扉が除外されたか)によって確率は変化する」ということです。つまり確率は「単なる数」としてではなく、「どの情報を持っているか」を反映した"条件付きの信念"として扱われるべき――それが条件付き確率の本質であり、勝負やリスク評価、サイバーセキュリティ、意思決定といった"情報に応じた判断"の世界で、この考え方が極めて重要になる理由です。
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