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Sunday, August 25, 2024

産業廃棄物税の導入 - 2001年7月




産業廃棄物税は、廃棄物の排出を抑制し、リサイクルを促進することを目的とした税制です。特に、最終処分場の逼迫や不法投棄の問題が深刻化している中、地方自治体が独自に導入することで、廃棄物処理に関する財源を確保し、環境保全を強化する狙いがあります。

### 三重県における導入
三重県は、2001年に全国で初めて産業廃棄物税を導入しました。この税は、最終処分される産業廃棄物に対して課税され、リサイクルの促進や不法投棄の防止に資することを目的としています。具体的には、産業廃棄物を県内の最終処分場に搬入する際に、1トンあたり1000円の税金が課されます。この税収は、廃棄物処理に関する施策や監視活動の財源として活用されます。

### 税制の特徴
- 課税対象: 排出事業者が県内外から排出する産業廃棄物で、最終処分場に埋め立てられるもの。
- 非課税対象: リサイクル施設に持ち込まれる廃棄物や、焼却などの中間処理による減量分。
- 税率: 1トンあたり1000円。
- 税収の用途: 産業廃棄物の発生抑制やリサイクル推進のための研究・開発費、不法投棄の監視体制の強化など。

### 効果と課題
この税制の導入により、廃棄物の排出抑制が進み、リサイクル率の向上が期待されています。また、税収が確保されることで、自治体はより積極的に環境保全活動を推進できるようになります。しかし、排出事業者にとっては新たな負担となるため、経済的な影響も考慮する必要があります。また、リサイクルインフラの整備や、不法投棄の防止対策も重要な課題として残っています。

### 今後の展望
産業廃棄物税は、廃棄物処理に対する社会的な関心を高める効果があり、今後も他の自治体での導入が検討されています。特に、廃棄物処理にかかるコストを適正に反映させることで、持続可能な廃棄物処理システムの構築が目指されています。

Sunday, August 18, 2024

鉱山業リサイクル事業 - 1995年6月

鉱山業のリサイクル事業

概要
鉱山業界では、金属資源の枯渇や廃棄物問題に対応するため、鉱石を採掘して金属を取り出す従来の方法に加え、金属廃棄物から貴金属を回収するリサイクル事業が進められています。この取り組みは、資源の有効利用と環境保全を目的としています。

中外鉱業の取り組み
日本の鉱山業界において、特に注目されるのが中外鉱業のリサイクル事業です。中外鉱業は、1932年(昭和7年)から鉱石の精錬事業を行ってきましたが、1973年のオイルショックを契機に、電子産業から出る不良品を回収し、そこから金を抽出する事業を開始しました。この事業により、鉱石を新たに採掘することなく、既存の廃棄物から金属資源を回収することが可能となりました。

さらに、同社は病院から排出される廃フィルムや写真廃液から銀を回収する技術も開発し、リサイクル事業を拡大しています。1978年には、伊豆大島沖地震で持越鉱山の堆積場が決壊したことを契機に、鉱石の採掘ではなく、貴金属廃棄物のリサイクルに本格的に取り組むようになりました。

精錬工程と廃液処理
中外鉱業の持越鉱山は、現在では精錬工場として機能しており、焼成部門、アルカリ回収部門、酸回収部門などの前処理工程を持っています。精錬工程では、溶練部門と電解部門を経て、99.999%の高純度金や99.99%の電気銀が抽出されます。この工程で発生するアルカリ、酸、シアンなどの廃液は、適切に処理され、無害化されています。また、低品位の貴金属含有物は、別の専門技術を持つ鉱山会社に売却されています。

多目的焼成炉の導入
中外鉱業では、機密文書の焼却などにも対応するため、多目的焼成炉を導入し、廃棄物処理事業の分野を拡大しています。これにより、さまざまな産業廃棄物の処理が可能となり、廃棄物のリサイクル率を高める取り組みが進められています。

鉱山会社のリサイクル事業の意義
日本の鉱業界全体でも、鉱山会社は廃鉱山を総合的なリサイクルセンターに転換する動きが見られます。採掘が終了した鉱山は、鉱害防止のために維持管理が必要ですが、その広大な敷地や選鉱、精錬設備を活用し、廃棄物処理やリサイクル事業を展開することで、鉱山の有効活用と地域の活性化に貢献しています。

通産省も、このような鉱山の特性を活かした「リサイクル・マイン・パーク計画」を策定し、1995年度には約4000万円の予算を投じてモデル事業を推進しています。これは、廃家電製品などをリサイクルするためのインフラを整備し、休廃止鉱山での地域振興にも寄与する取り組みです。

課題と展望
鉱山業のリサイクル事業は、資源の有効活用と環境負荷の低減に貢献しています。



Friday, August 16, 2024

PCB除去技術の革新 - 1998年3月15日-現在

特殊な高分子材「ポリノルボルネン」を用いたPCB除去技術が、従来の処理法に対して大幅なコスト削減と効率向上を実現しました。ポリノルボルネンは他の高分子材料に比べてPCB(ポリ塩化ビフェニル)の吸着性が非常に優れており、吸着されたPCBが再溶出しないことが確認されています。

この技術では、PCBを含む水中に少量のポリノルボルネンを添加し、PCBを効率的に除去します。従来の処理法では1トン当たり2万5000円のコストがかかっていたのに対し、この新しい処理法では3000円以下に抑えることが可能です。また、処理に必要な作業スペースは従来の4分の1、処理時間は5分の1で済むため、作業の効率化も実現しています。

この技術は、日本国内でのPCB処理において重要な役割を果たすことが期待されています。特に、保管期限が過ぎたPCBを含むドラム缶の腐食や散逸が問題となっている現状に対して、有効な処理手段として注目されています。さらに、ポリノルボルネンを使用した処理方法は、焼却処理に比べて環境への負荷が低く、ダイオキシンの発生リスクも回避できるという利点があります。

今後、この技術が広く普及することで、日本国内だけでなく、国際的なPCB処理の基準にも影響を与える可能性があります。環境省や関連企業がこの技術のさらなる実用化と普及を進めることで、PCB問題の解決に向けた重要な一歩となるでしょう。

2020年代の現状

2020年代におけるPCB除去技術の現状は、技術の進展と規制強化に伴い、大きな進展が見られます。

技術の進展
1. 高度な処理技術の普及:
- 日本では、三菱マテリアルがポリノルボルネンなどの新しい吸着材を用いたPCB除去技術を商業化し、全国的に展開しています。特に、千葉県や大阪府の処理施設でこの技術が導入され、効率的で低コストな処理が可能となっています。
- アメリカの環境サービス企業Clean Harborsは、同様の技術を使用してPCB廃棄物の処理を行っており、ニューヨーク州やカリフォルニア州の施設で活用されています。

2. 新しい技術の導入:
- ナノテクノロジーを活用したPCB分解技術の研究は、日本の富士通研究所が進めており、実用化に向けたテストが川崎市で行われています。さらに、ドイツではバイエルン州のバイエルが、バイオレメディエーション技術を開発し、PCB汚染土壌の処理に応用しています。

規制と管理の強化
1. 国際的な規制強化:
- ストックホルム条約に基づき、各国でPCBの使用と廃棄に対する規制が強化されています。日本では、環境省が主導して2025年までにPCB廃棄物の完全処理を目指しており、北海道や愛知県の処理施設で大規模な処理プロジェクトが進行中です。
- カナダでは、オンタリオ州のGFL EnvironmentalがPCB処理に特化した施設を運営し、国全体でのPCB処理に貢献しています。

2. 管理体制の改善:
- 日本では、PCB廃棄物の管理と追跡システムが強化され、特に東京や名古屋の処理施設での適切な処理が確保されています。これにより、保管から処理までのプロセスが厳密に管理されています。

課題と今後の展望
1. 未処理PCBの存在:
- インドやインドネシアなどの新興国では、未処理のPCBが依然として存在し、環境リスクを残しています。これらの国では、適切な処理インフラが整っていないため、国際的な支援が必要とされています。例えば、インドのムンバイでは、PCB処理が遅れているため、地元政府とClean Harborsの協力によるプロジェクトが進行中です。

2. 持続可能な処理技術の確立:
- 日本の日立製作所は、低コストで環境負荷の少ない新しいPCB処理技術を開発し、全国の処理施設に導入しています。特に、九州地方では、日立の技術を用いた処理が進行中です。さらに、ドイツのRWEが、PCB処理技術の改善に取り組んでおり、ヨーロッパ全域での展開を目指しています。

結論
2020年代におけるPCB除去技術は、企業の技術革新と各国政府による規制強化により大きく進展しましたが、一部地域では依然として課題が残っています。今後、国際的な協力と技術開発のさらなる推進が、持続可能な環境保護の実現に向けて重要な鍵となるでしょう。

Wednesday, August 14, 2024

カルシウムを利用したRDFの無害化技術-1998年3月

RDF(Refuse Derived Fuel)は、都市ごみなどを固形燃料化する技術であり、燃焼時に発電や熱供給を行うことができます。しかし、従来のRDFにはいくつかの問題がありました。特に、ごみ中に含まれる塩素が燃焼時に塩化水素(HCl)やダイオキシンを発生させることが大きな懸念材料となっていました。これらの有害物質は、環境や健康に対するリスクが高いため、RDFの普及には障壁となっていました。

この問題に対処するため、三菱重工業はRDFの製造プロセスにおいてカルシウム化合物(主に生石灰)を添加する技術を開発しました。この技術は、以下のメカニズムで有害物質の発生を抑制します。

1. **塩素との反応**: カルシウム化合物をRDFに添加することで、燃焼時に塩素がカルシウムと反応し、塩化カルシウム(CaCl₂)が生成されます。これにより、塩化水素の発生が抑制されます。

2. **ダイオキシンの抑制**: ダイオキシンは、燃焼温度や燃焼環境に大きく依存しますが、カルシウム化合物が存在することで、ダイオキシンの生成を促進する塩素化合物が減少し、ダイオキシンの発生量が大幅に削減されます。

三菱重工業が行った試験によると、カルシウムを7%添加したRDFを燃焼させた場合、排ガス中の塩化水素やダイオキシンの濃度は事実上ゼロに近いレベルまで低減しました。この結果、RDFの環境負荷を大幅に軽減し、より安全なごみ処理方法としての可能性が示されました。

さらに、カルシウムの添加は、ごみ焼却炉の運転にも好影響を与えます。従来のごみ焼却炉では、排ガス中の塩化水素やダイオキシンを除去するために高度な排ガス処理装置が必要でしたが、カルシウムを添加することで、これらの装置の負荷が軽減され、運転コストの削減にもつながります。

この技術は、日本国内外で注目を集めており、環境負荷の低減とエネルギー回収を両立させる有望な手段とされています。今後、RDFの普及が進む中で、このカルシウムを利用した無害化技術が重要な役割を果たすことが期待されています。

Tuesday, August 13, 2024

廃食用油の再資源化と新たな活用法 - 1997年1月15日

### 廃食用油の再資源化

日本では年間約200万トンの食用油が使用されており、そのうち約36万から45万トンが廃食用油として排出されています。廃食用油の約65%は回収・再生されていますが、残りの35%、約13万トンから16万トンが適切に処理されずに廃棄されている現状があります。廃食用油は、ニワトリや豚の飼料添加脂、石鹸、インク、ゴムなど、多様な製品にリサイクル可能です。そのため、廃食用油の回収・再利用を促進することが、環境保全と資源の有効利用にとって重要です。

### 家庭からの廃食用油回収の課題

廃食用油の回収は、主に事業系と家庭系の二つに大別されます。事業系から排出される廃食用油は年間約18万トンに達し、その回収率は90%を超えています。一方、家庭から排出される廃食用油の回収率はわずか5%程度です。家庭での廃食用油の処理は、新聞紙や布に吸わせて可燃ごみとして出す、油凝固剤を使用して捨てる、またはそのまま流すなど、適切な回収が行われていないケースが多いです。特に、油を流してしまうと環境汚染の原因となり、水質汚染や焼却炉の劣化を引き起こします。

### 廃食用油の再資源化と新しい用途

廃食用油の再資源化には、飼料としての利用が最も多く、6~7割を占めます。しかし、安価な輸入バージンナタネ油やバーム油の影響で、再生油の市場は不安定な状況にあります。また、石鹸へのリサイクルも行われていますが、需要が限られており、工場の稼働率は60%程度に留まっています。

そんな中、新たな用途として期待されているのが、植物油を精製して作られるディーゼル燃料「V.D.F.(Vegetable Diesel Fuel)」です。この燃料は、100リットルの廃食用油から約95リットルの燃料を生産でき、二酸化硫黄(SOx)を発生せず、黒煙の排出も従来の軽油の3分の1に抑えられます。また、発熱量や燃費も軽油と同等で、価格もリッター80円と経済的です。この技術は、ディーゼル車の欠点を補う可能性があり、廃食用油の新たな活用法として注目されています。

### 地方自治体と市民団体の取り組み

家庭からの廃食用油回収においては、地方自治体や市民団体の協力が不可欠です。例えば、東京都武蔵野市では、市出張所やコミュニティセンターを回収拠点として設置し、家庭からの廃食用油を定期的に回収しています。回収された油は、飼料や石鹸として再利用されています。また、千葉県の手賀沼流域では、市民団体「せっけんの町共有社の会」が回収活動を行い、回収した油を石鹸にリサイクルしています。このような地域での取り組みが、廃食用油の再資源化を促進し、環境保全に貢献しています。

Monday, October 23, 2023

廃棄物の5R 1998.06.15

廃棄物を廃棄物として考えるのではなくて、 大切な資源として発想していくことが今や一般的だ。資源としての活用法として5つのRが提案 され実践されている。Reduce(減容、減量)、 Reuse(再利用)、Refine(精錬)、Recycle(再 資源化)、Reconvertto Energy(熱源化)の5R である。使い捨て消費を見直す中で、5R中の Reuseからの発想が定着し始めている。最近街の あちらこちらにリサイクルショップがオープン している。消費者から不要になった衣類、服飾 品、家庭雑貨、家具、電化製品などを委託や買 い取り方式で仕入れて安く売っている店舗をリサイクルショップと呼んでいる。正確にはReuse Shop。


▼1960年代に米国西海岸で生まれたガレージセールが発展したリサイクルショップは日本でも70年代のオイルショックに端を発し、 消費者の節約意識•生活防衛意識の高まりを背景に各地に誕生した。その後高度成長とともに 衰退するが、最近またぞろ復活の兆しを見せて いる。そこには新たに省資源・省エネ意識、環 境に配慮したライフスタイルヘの移行が反映さ始めている。今後こうした不要品を売り買いする市場は確実に広がっていく。"Reuseと同じ発想でRepairという分野のビジネスが急成長している。つまり ‘‘修理・修繕” 屋さんだ。Repair Shopは、靴や衣服に始まって家具、電化製品などの他住まいのリフォ ームまで多種多彩だ。また各自治体主催の「修繕講座」もどこも盛況だ20  と開く。講座担当者は「人気の背景には中高年層の使い捨て文化に対する抵抗、環境問題への•関心、子どもたちにモノの大切さを教えるなどが挙げられる」と分析。

"'こうした消費者意識を反映して、DIY (Do It Yourself=日曜大工)という小売業も拡大の一途。環境先進国ドイツでは廃棄された不要品の集積場所から不要品を安く買って持ち帰り、 B 躍大工でRepairして活用するのが日常的風景だ。環境を軸としたライプスタイルの見直しが市場のあり方や生産スタイルを変えていく。一方では、そこにもうひとつの環境ビジネスが成長している。