環境技術が芽吹いた時代 サーマルリサイクルから新エネルギーまで広がった技術革新の地平(1994年)
1994年12月の第5号に収められた記事群は、当時の日本が抱えていた廃棄物、エネルギー、水質、生産構造の問題に正面から向き合い、技術によって出口を探ろうとした時代の息遣いを刻んでいる。誌面を読み解くと、環境技術が単発ではなく複数の分野で同時多発的に芽吹き始めていたことが分かる。高度成長期の反省と循環型社会への視線が産業界、行政、国際機関によって交差していた。
水と大気を守る研究として生態系を指標にした水質評価が進み、工場では廃熱を利用したコージェネレーションや低NOx燃焼方式が提案され、省エネと大気保全の両立が模索された。農業分野では農薬に依存しない植物工場が紹介され、閉鎖型システムによる新しい生産技術が姿を現しつつあった。
国際的にはOECDが微生物や酵素を用いたバイオレメディエーションの市場成長を予測し、薬剤処理より低負荷な修復技術として注目を浴びた。日本ゼオンはリサイクル樹脂を景観材や処分場造成に応用する技術を進め、リサイクルと建設の融合を図ろうとしていた。
東京都は製品アセスメント制度の導入に動き、原料調達から廃棄までの環境影響評価を制度化しようとしていた。同号では廃プラスチックを熱分解し油化するサーマルリサイクルも取り上げられ、廃棄物を資源に戻す循環思想が実用化へ向かっていた。
さらに国は新エネルギー導入大綱を打ち出し、太陽光、廃棄物発電、波力発電など多様なエネルギー技術を位置づけ、海上ではSCR方式など船舶排ガス低減技術が研究され始めた。1994年は環境技術が社会の中心へ浮上し始めた節目の年であり、多様な試みが一本の連なりとして未来を描こうとしていた。
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