Wednesday, March 13, 2019

話題のSDGsとは

話題のSDGsを追ってみた…。

マスコミは「今後、政府は如何にSDGsを施策に取り入れるか、企業はどう経営に生かすかが、日本の今後の成長のカギとなりそうだ」と騒いでいる。
国連が経済、社会、環境の諸課題を統合的に解決することの重要性が示され、2030年を目標年として、「貧困をなくそう」や「飢餓をゼロに」等世界に呼びかけている「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」と言われるSDGs(エス・ディー・ジーズ)だが、2015年9月の国連サミットで採択されたものだ。国連加盟193か国が2016年~2030年の15年間で達成するために掲げた目標だ。この取り組みに共感した各事業所(地方自治体、公的機関、民間企業等)が急速に広がっている。

●SDGsとは
SDGsは2015年9月の国連サミットで採択されたもので,地球環境の悪化等人間活動に伴う諸問題の解決に向けて国際社会全体が協働して取り組んで行こうと採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の中核をなすものである。国連加盟193か国が2016年~2030年の15年間で達成するために掲げた17の貧困、教育、環境、防災等17の目標と169の具体的な個別目標(詳細はインターネットで紹介)が示されている。
大手企業のSDGs担当者は「特に企業が取り組むSDGsは、従来の環境負荷の低減、コンプライアンス等企業の社会的責任の取組みと比べたらゴール(目標)が明確で、達成手段にビジネスを組み入れやすいことから、今このSDGsにチャレンジする企業が急速に増えている」と言う。
さらにSDGsの取り組みが進展すると、世界の貧困等企業が取り組むべき課題の解決に有用な道を開拓するだけでなく、経営やビジネス分野に変化もたらす契機になると言う。ビジネス現場では、価格、品質、納期と言った価値基準に変化をもたらし、結局は社会や制度の変革につながるというのだ。

●SDGsの意義
SDGsの前身ともいえるものが、2000年の国連総会で採択された「ミレニアム開発目標(MDGs)」である。開発途上国の極度の貧困や飢餓をなくそうと2015年を目標年として8つの目標から構成されている。MDGsは開発途上国のみが対象でしたが、2015年以降の目標をどうするかという議論において、近年の地球規模での人口増加や経済規模の拡大の中で、人間活動に伴う気候変動を始めとしたグローバルな問題の解決には、先進国・開発途上国がともに取り組むことが重要であるという認識が共有され、SDGsの採択に至った。
GDP(国民総生産)偏重の経済成長を遂げる一方で、国内の地域間や教育、所得、文化的背景等による格差が拡大している国も見られる中、女性、子供、障がい者、高齢者など立場の弱い人々が取り残されないよう、地球上の「誰一人取り残さない(no one will be left behind)」社会の実現を目指し、経済・社会・環境をめぐる広範な課題に統合的に取り組むことが求められている。
また、持続可能な開発のキーワードとして、人間(People)、地球(Planet)、繁栄(Prosperity)、平和(Peace)、連帯(Partnership)の「5つのP」が掲げられている。

●環境ビジネス新市場の開拓ツールとして
日本国内では2016年政府内「持続可能な開発目標推進本部」が設置された。推進本部の下には、行政、NGO、NPO、有識者、民間セクター、各民間企業においては、社会貢献活動ばかりではなく、自社が環境や社会に与える影響を適切に評価し、SDGsの達成に貢献することでビジネス創出チャンスに繋げる企業が多数登場している。環境ビジネスにおいても途上国や新たな生活者市場の開拓の出口戦略の有効なツールとして使われてきている。例えば大手企業の川崎重工では「グローバル化に伴う移動・輸送の効率化、新興国のインフラ整備支援」等、段ボールのレンゴーでは「省資源で大きな価値を生むパッケージつくり」等SDGsを念頭に置いた事業を進めている。中小企業においても自社の技術・事業の延長上にSDGsに寄与している。考えてみれば環境ビジネスは、SDGsに実質的に貢献する仕事が大半なのだ。

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