■環境ビジネスの事業化や環境対策が加速する中、環境に精通したプラントエンジニアリングが必要とされています。
環境事業や対策の発想を実際の事業やプラントに昇華させていくためには、フィージビリティスタディ、プラントの研究開発・設計、製作、資材調達、建設工事、試運転などさまざまな課題をクリアしていかなければなりません。
■環境ビジネスの成長と環境対策の拡大に伴い、環境に詳しいプラントエンジニアリングの需要が高まっています。
環境関連のビジネスや対策を具体的な事業やプラントに落とし込むには、フィージビリティスタディ、プラントの研究開発・設計、製作、資材調達、建設工事、試運転など、さまざまな課題をクリアしていく必要があります。
■少数精鋭のエンジニアリング。
同社代表取締役の加治均さんは、プラント業界で日本の専業3社に数えられる千代田化工建設の出身。
そこで27年間、石油精製産業プラントの建設や各種ガス化溶融炉技術の分析・評価・商品化などに携わってきました。
こうした中で培われたノウハウをより幅広い分野で活かしたいとの思いから2000年6月に仲間のエンジニアと共にスピンアウト、約半年の準備期間を経て、エネルギー環境設計を設立しました。
「これまで手掛けてきた数十億円、数百億円の大規模案件だけでなく、より小規模な案件でのプラント導入から運営までのコンサルティング、技術商品の開発支援、設備のプロセス設計、機器の展開設計、さらには自社の独自技術商品の開発が当社の狙いです。
大手エンジニアリング会社がカバーしづらい領域で、特にエネルギー、環境分野ではノウハウを有する人材が少ないこともあり、ほとんど未開拓の状況です」と加治社長は述べています。
その狙い通り、滑り出しは上々でした。
加治さんがこのようなコンセプトの会社を設立したことを知ったエンジニアを通して、サニックスが苫小牧での事業化を検討していた廃プラ発電事業に参画を依頼されました。
サニックスでは98年から産業廃棄物系廃プラ中間処理業を全国十数箇所で展開しており、それらを有効活用するため廃プラ発電事業を発案しました。
とはいえ、プラスチック専焼発電は世界でも初めてのケースでした。
そこで、発電、廃棄物処理ともにノウハウを持つエネルギー環境設計に依頼がきたというわけです。
このケースでは、廃プラスチックの溶融燃料への加工、発電所までの輸送、そして発電の全過程にわたりオーナーズエンジニアリングの1社として参加し、フィージビリティスタディから設計、資材調達、施工管理、試運転までのプロジェクトマネジメントにおいて中心的な役割を果たしましたと自負しています。
■達成するためには、投資と要求される性能の兼ね合いが重要ですが、それには確固たる技術裏付けやノウハウが不可欠です。
フィージビリティスタディを始めとしたプロジェクトマネジメントの専門知識を持つプラントエンジニアリング会社であれば、どこでも保有しています。
当社の利点は、それに加えて熱伝達、廃棄物処理に関する技術に関するノウハウを持っていることです」と加治社長は述べています。
同発電所は2002年6月に完成し、8月から試運転を開始しています。
その後も、岩手県工業技術センターが木質バイオマスの利用を普及を目指し進めている木質ペレットストーブ開発プロジェクトに参画するなど、設立して間もないにもかかわらず、同社のエンジニアリング能力に対する需要が集まりつつあります。
クライアントのアイデアを具体的なものにする、その橋渡し役として同社の出番はまだまだ増えていくでしょう。
独自技術の研究開発はもうひとつの柱。
ただし当初より、こうしたコンサルティング事業とともに、自社による独自技術開発とその技術を活かした商品開発・販売も進めています。
「こうしたエンジニアリング系のコンサルティング事業はうまく仕上げればクライアント自身がノウハウを吸収し、同様の仕事がこないようにするという自己矛盾を抱えています。
そこで事業のもうひとつの柱として独自の技術開発も進めています」と加治社長は述べています。
同社では、大きく分けて「エネルギー」と「環境」の2つの分野で技術開発を進めています。
エネルギー分野では現在、商品化を目指しているのが小型蓄熱式バーナーユニットおよび調理用ユニットです。
蓄熱式バーナーは、欧米で1990年代に開発され、燃焼排ガスの残熱を再利用することで熱効率を向上させ、燃料消費を従来の半分以下に抑えることができます。
日本でもNEDOを中心に開発が進み、技術的には今や日本がトップランナーとなっています。
しかし、小型化の研究はほとんど行われていませんでした」と加治社長は述べています。
■そこで、同社は小型化に着手しました。
大田区からの開発助成金なども受けて、セラミックス製の蓄熱式熱交換技術や熱放射板、従来2台必要だった蓄熱バーナーの単体化などにより、小型化と低コスト化に成功しました。
汎用部品として既存の食品加工機械に組み込むことが可能で、また幅広い用途が期待されています。
すでに今年の夏には、1号機が大手食品加工機械メーカーに納入されました。
同社では、廃プラスチックの輸送に着目しました。
廃プラスチックを圧縮しながら表面を溶解する圧縮成形装置を開発しました。
価格は従来の圧縮梱包装置の約2倍ですが、圧縮率は約3倍で、梱包資材が不要な点がメリットです。
引き合いはあるものの、まだ受注には至っていませんが、期待しています。
また、鉛ガラスやクリスタルガラスから鉛成分を回収する技術も研究しています。
粉砕したガラスに添加物を加え、1500℃以下で加熱することにより鉛を気化させるものです。
2002年中には実用化に向けた研究を終了させる予定です。
この技術はすでに鉛ガラスを製品に利用しているメーカーの注目を集めています。
装置販売事業との両立が課題。
また同社では、ホームページの作成やソフトウェア開発なども手掛けています。
ソフトウェアでは、「廃プラスチック排出量データシステム」なるものを開発しました。
全国の工場や事業所などの立地、業種データをもとに、独自の推論エンジンにより、指定した地域でどれぐらいの廃プラスチックが排出されるかを計算するものです。
すでに1本販売済みです。
コンサルティング事業、独自技術の研究開発、さらにはソフトウェア開発と、同社の高い開発意欲は、少数精鋭の5名の社員だけでは支えきれません。
定年退職したが十分な経験と能力を持つ人材などとネットワークを組み、プロジェクトごとに契約しています。
これにより、50名以上のマンパワーを動員することも可能になっています。
今後は、独自開発した技術を活用した商品の販売に力を入れていきたいと考えています。
「事業の成熟度合いでいえば、研究開発と商品化で3分の2、それを商品として販売して、ようやく日の目を見られると考えています。
これからはどのように販売していくかが大きな課題です」。
エネルギー、環境に特化した高度なエンジニアリング技術に基づくコンサルティング能力と、独自技術の研究開発力はすでに証明されています。
これからは労働集約型のコンサルティング事業とともに、装置販売事業をいかに両立させていくか。
同社にとって勝負の時期が近づいています。
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