Wednesday, September 16, 2026

花咲く野辺から届いた恋 ザ・タイガース「花の首飾り」 1967年-1968年

ザ・タイガースは、前身のザ・ファニーズから改名し、1967年に「僕のマリー」でデビューした。名付け親でもあった作曲家すぎやまこういちは、彼らのシングルを「静、動、静、動」と展開する大きな交響組曲のように構想していた。5曲目には「銀河のロマンス」を用意し、そのB面候補として生まれたのが「花の首飾り」である。 きっかけは、1967年末に雑誌「明星」が実施した、タイガースに歌ってほしい詞を募る懸賞だった。全国から13万通を超える応募が集まり、北海道の高校生、菅原房子の作品が入選した。原案は通常の歌詞というより、花を摘む娘たちが白鳥になるという神秘的な物語で、チャイコフスキーの「白鳥の湖」をモチーフにしていたという。補作詞を担当したなかにし礼が、その西欧的で幻想的な世界を生かしながら歌詞へまとめた。 作詞は菅原房子、補作詞はなかにし礼、作曲はすぎやまこういち。すぎやまは歌詞の冒頭を読んだ瞬間に旋律を思いつき、数分で曲を書き上げたとされる。通常より高いキーだったため、沢田研二ではなく加橋かつみがリードボーカルを担当した。当初はB面用だったが、完成度の高さから「銀河のロマンス」と両A面で発売され、リクエストでは「花の首飾り」が圧倒的な人気を集めた。売上は67万枚を超え、ザ・タイガース最大のヒット曲となった。 ひな菊、野辺、花の首飾りという柔らかな自然のイメージに、恋する相手への憧れが重なる。単なる青春歌謡ではなく、少女が白鳥へ変わる物語を源流に持つことで、どこか遠いヨーロッパの伝説を思わせる幻想性を帯びた。1968年のグループサウンズ全盛期に、華やかなアイドル性と文学的な物語世界を結び付けた作品であり、「花の首飾り」はザ・タイガースのロマンチックな魅力を象徴する1曲となった。

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