Tuesday, February 10, 2026

廃棄の闇と浄化の光 ― 産業廃棄物の不法投棄とその再生への道

廃棄の闇と浄化の光 ― 産業廃棄物の不法投棄とその再生への道

荒れ果てた土地に積み重なる不法投棄の影。静かに、しかし確実に広がる環境の傷跡は、やがて社会の目に晒されることとなった。2003年1月20日、環境省はこの闇を払うべく、警察OB、弁護士、測量士ら専門家を集めた調査チームを設置した。

全国に点在する670か所もの不法投棄現場。その原状回復には900億円という莫大な費用が必要と試算された。誰が責任を負うべきか。誰が環境を汚し、そして誰がその清浄を取り戻すのか。関与者の特定と負担額の算定が進められ、また、自治体の負担を軽減する策も検討された。

そして、闇に立ち向かう新たな剣が打ち立てられた。2003年2月20日、「特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関する特別措置法」、通称「産廃特措法」が閣議決定された。この法律は、過去10年間に集中した不法投棄の原状回復を推進し、排出事業者や運搬業者の責任を厳しく追及するものだった。

さらには、汚染された大地を再生するためのもう一つの枠組みとして、2003年2月、土壌汚染対策法が施行された。有害物質による汚染が確認された土地の所有者には浄化措置が義務付けられ、都道府県知事は健康被害の恐れがある場合、汚染除去を命じる権限を持つこととなった。

さらに、廃棄を抑制する新たな仕組みとして、2003年1月6日、奈良県では「産業廃棄物税(仮称)」の導入が検討された。最終処分場へ搬入される廃棄物1トンあたり1000円の課税を行い、その税収を不法投棄抑制や環境保全策の財源とするという試みだった。

こうして、不法投棄の闇に光を差し込むべく、政府は法整備と環境対策に動き出した。しかし、廃棄を巡る問題は依然として尽きることがない。環境犯罪の根を断つためには、制度の強化のみならず、私たち一人ひとりの意識の変革が求められている。

関連情報:
- 環境省は全国の不法投棄現場を調査し、原状回復に約900億円が必要と試算(2003年1月20日)。
- 「特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関する特別措置法(産廃特措法)」が閣議決定(2003年2月20日)。
- 土壌汚染対策法が施行され、土地所有者の浄化義務が明確化(2003年2月)。
- 奈良県で「産業廃棄物税」の導入が検討され、不法投棄防止策が進められる(2003年1月6日)。

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