フロンの規制については紆余曲折があったが、1987年に「オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書」が32か国の署名を得て成文化されたことで、政治と産業と技術の表舞台に引き出されることになった。
議定書では、98年までには50%以下に削減しようとするガイドラインがあったが、その後、オゾン層の破壊が予想を上回って進行していること、オゾンホールが一段と大きくなっていることが判明し、規制水準の強化議論が高まり、90年6月に開かれた第二回モントリオール議定書締約国会議では、削減計画が大幅に前倒しされた。
とはいえ、これまでの70年間にわたって大気中に放出されたフロンは、フロン11と12に限っても約1800万トンに及んでいて、このうち40%以上がまだ成層圏には達していないと推定されている。(1991年時点)
オゾン層破壊物質に対する規制が、今後はさらに厳しいものになるとみられるのは、このためでもあった。
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