Saturday, February 19, 2022

オゾンは減少していない? 1991年

 米ローレンス・リバモア国立研究所の大気化学者ヒュー・エルレッサー博士は、フロンによってオゾン層が破壊され、地表に届く紫外線が増大し、皮膚ガンの発生率が増大するという議論を、科学的な根拠のない俗説として退けている(当時の学研ムック「最近地球環境論」に所収)。

 博士によれば、成層圏のオゾンが減少しているという確実な証拠は現時点では何一つ見つかっていないという。近年のオゾン減少傾向をとらえた論文はどれも1969年以降の10年間に逆にオゾンは増大している。また、フロンがオゾン層を破壊するメカニズムは否定できないにしても、オゾンホールが生じるのは大気圏の限られた領域の限られた期間のことで、それをフロンだけのせいにすることはできないとしている。それに、オゾン層は人為的に破壊できるような脆弱なものではないとも主張している。

 さらにまた、紫外線の増減についても、博士は、これをオゾン層だけの増減だけと結びつけるこてはできないとし、そもそも紫外線の影響を過度に恐れる必要もないとしている。地上に届く紫外線の量は赤道と両極では約50倍も違い、成層圏のオゾンが仮に5%減少したとしても、それはせいぜい赤道方向に100キロほど移動して暮らすという程度の違いでしかなく、医学的にはむしろビタミンDの生産効率を高めるという意味で有益ですらあるというのだ。そして、ロスアンゼルス上空のスモッグを除去することによっても、紫外線量は30%増大するという問題には、誰も目を向けないと糾弾している。

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