Wednesday, April 9, 2025

環境アセスメントの法制化やダイオキシンなどの有害物質の規制強化などによって、環境測定・分析(モニタリング)業務が注目されています。

環境アセスメントの法制化やダイオキシンなどの有害物質の規制強化などによって、環境測定・分析(モニタリング)業務が注目されています。
グリーンブルー株式会社は、1972年の設立以来、測定・分析をはじめ、環境調査業務を多角的に行ってきました。
最近では、急増する日本国内でのダイオキシン調査業務への迅速な対応が光ります。
同社の谷学社長にお話を伺いました。
有害化学物質のモニタリングに進出した同社は、1967年の公害対策基本法の制定、1970年の公害国会、1971年の環境庁誕生を経て、1972年に設立されました。
会社設立前の谷社長は、厚生省の外郭団体である(財)日本環境衛生センターに勤務していました。
「70年代初頭は、大気汚染防止法など、公害防止のための規制や法律が施行され始める時期でした。
当時は環境測定を手掛ける会社が少なかったため、ビジネスになると見込んで、当時の同僚5人と会社を設立しました。
」こうして(株)日本公害防止技術センター(1992年にグリーンブルーに社名を変更)を設立し、まずは大気汚染に焦点を当てて営業活動を開始しました。
ボイラー設備を持つ企業の排気ガス測定や自治体の大気汚染自動計測器の維持管理業務などを中心に事業を展開していきました。
同社設立2年後の1974年には計量法が改正され、計量証明事業が許可事業となりました。
そのため、タイムリーに環境測定の分野に参入できたと言えます。
その後、同社は広く環境汚染防止全般を事業の対象としてきました。
現在の事業比率としては、公害調査をメインとする環境調査業務が40%、地方自治体が保持している大気汚染監視システムの保守・管理業務が35%、環境監視データの集計・加工・表示をするコンピュータソフトの開発が15%、海外での活動が10%となっています。
「環境保全には、まず正しい測定能力が不可欠です。
日本は70年代の必死の取り組みで公害防止先進国と言われるまでになりましたが、この要因として、公害防止技術の開発や環境法の施行などと並んで、モニタリングが果たした役割は大きいものがあります。
」とはいえ、日本の現状を見ると、まだまだ環境への取り組みは万全とはいえません。
一例が、有害化学物質に関する取り組みです。
日本は欧米と比べて有害化学物質への対応で大きく遅れています。
同社では、有害化学物質への規制強化を大きなビジネスチャンスと捉え、第一弾として1997年1月に環境モニタリングで米国のNo.1であるカンテラ社と業務提携しました。
「この提携により、ダイオキシンの発生源調査、試料採取、分析業務が可能になりました。
自治体、民間双方に営業活動をしている最中ですが、ダイオキシン関連で今年1年間で1億円の売り上げを目指しています」。
世界に通じる環境モニタリングを同社の特色として、海外業務があります。
発展途上国の環境保全推進には、現実を把握するモニタリング業務が必要不可欠です。
「海外業務については、大気汚染管理について、環境ODAの開発調査を中心に行なっています。
海外業務を進めるなかで気がついたのは、技術供与にあたっては専門知識だけでなくマネジメント能力も必要だということです。
例えばある物質を測定する技術だけを供与するのではなく、専門家でなくても間違いなく正しい手順を踏めば作業ができる手法を含めて伝えることも大切なことです。
」こうした経験から国際基準に沿った仕事の必要性を感じ、1995年にISO9002を取得しました。
さらに現在はISO14000シリーズの取得を目指しており、都査登録機関の検討に入っています。
「環境管理・監査制度は新しいモニタリング市場を形成すると同時に、モニタリング企業も自らに厳しい環境対策を課すことになります。
さらに、将来的には「環境計量証明書」にも製造物責任(PL)法が適用されることになると予想しています。
私たちの環境モニタリングもより厳しい規制に対応していくことが求められています。
」同社のもうひとつの特色は、約70名の社員のうち90%が技術系であることです。
いわゆるモニタリングの専門家と言えますが、これについては少しずつ変革していくつもりのようです。
「これまでは顧客の7割が地方自治体でしたが、これからは民間企業や個人にも対象を広げていく必要があります。
そのためには顧客のニーズを素早く把握し、専門家以外にもわかりやすく情報を伝えていかなければなりません。
」このため、1995年に新事業の企画・立ち上げをメイン業務とする経営企画室を新設しました。
同室では、前述のカンテラ社との提携を進めた他、個人向けの簡易型汚染検査装置の開発などを行っています。
この簡易検査装置は、一日胸ポケットに入れておくだけで、二酸化窒素やアルデヒド類などの有害物質の分析が可能になるものです。
分析費用は一回あたり1500円程度に抑え、個人で気軽に使えるものになっています。
「会社設立以来の25年間で、70年代の公害問題、90年代からの地球環境問題と環境保全の波を経験してきましたが、環境保全の第一歩としてのモニタリングの重要性の認識は深まりつつあると感じています。

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