監視の星はアレッポに落ちた――アサド政権とブラックシェイズの夜明け(2011年〜)
2011年、シリアに春は来なかった。アラブの春が呼び起こした自由の声に対し、バッシャール・アル=アサド政権は、銃口とともに、見えざる監視の網を広げた。その影の兵器こそ、「ブラックシェイズ」や「ダークコメット」と呼ばれるリモートアクセス型マルウェア。世界の裏市場で流通し、平凡なファイルの仮面をかぶって、民主活動家のパソコンへと忍び込んだ。
Skypeや画像ファイル、pdfに擬態し、友からの便りを装って届くそのプログラムは、キーボードを読み取り、ウェブカメラをのぞき、密談を記録した。すべては静かに、だが確実に、アサド政権の掌中へと流れ込む。
Citizen Labの調査により、その通信先がシリア国営機関であることが暴かれるとき、国家の名を借りたスパイ行為はもはや否定できなかった。亡命した技術者ディルシャド・オスマンは、この闇に光を当てるべく立ち上がり、国外の人権団体と連携して防御策を広げた。
遠くアレッポの空に、希望の星が一つ落ちるとき、それを見上げた者の心には、静かな怒りと、自由への渇望だけが残されていた。
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