2018年12月4日火曜日

地方発の環境ビジネス 1999.07.15

環境ビジネス市場分布で、このところ急速に新規参入してきているのが地方発の中堅・中小企業である。事業者数はざっと3000を越える。しかも成功の確度は以前と比べるとずっと高くなってきている。成功の鍵はいくつか考えられる。

キーワードは地域・分散・等身大(ローテク)。環境への取り組みはいよいよ地域単位になってくる。自然環境の維持・保全にしても、資源循環にしても、地域単位での取り組みが最善だと思われる。そうした場合、地場の中堅・中小企業の果たす役割は大きい。そこにさまざまな事業が派生してくる。たとえば、廃プラスチック処理を例にとると、リサイクルの技術分野にはマテリアルリサイクル(素材に再資源化)、サーマルリサイクルとして油化還元やRDF(固形燃料化)などがある。この分野は大手企業の領域であり、キーワードは広域・ハイテクに近い。中堅・中小には参入しずらい分野である。しかし、中堅・中小における廃プラ処理関連ビジネスの糸口はたくさんある。廃プラが排出されるのは地域の工場であったり、事業所であったりする。その廃プラを再資源化する前段階の破砕や減容周辺がまさに地場の中堅・中小企業の出番である。こんな風に廃プラ処理ひとつとっても大手と中堅・中小のビジネススタンスは違ってくる。

成功の鍵はほかにもある。それは現業の業態の延長上に環境ビジネスを発想している点だ。実例として製陶業をベースとして地域の廃棄物を回収してレンガとして資源化したり、家具メーカーが事業から出る木くずやダンボールを素材としてリサイクル家具の製造に乗り出すなどいろいろ。さらには旅行カバンメーカーがリサイクル可能な旅行カバンを企画しロングセラーを続けているケースもある。いずれも現業からの発想で、いってみれば、リサイクルを事業化したのではなくて、事業をリサイクル化したことで成功している。

こうしたビジネスの道筋があって地方発の環境ビジネスは確実に拡大している。

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