2018年12月5日水曜日

地域資源の身の丈サイズの利用法…。

<地域資源の身の丈サイズのスマート(賢い)な利用法 事例1>  

 バイオマス利用は熱利用が主体となるべき、というのはその通りだと思います。実際に里山の古民家で暮らし、風呂、炊事、暖房を薪で生活していますが、一日、農業用コンテナひとつ分、ざっと10kg必要です。コナラ、スギ、ヒノキで熱量が変わるため、一概には言えませんが、その程度です。温暖な静岡なので、冬季で10kg、夏期では半分程度です。ちなみにかまどは「愛農かまど」という、戦後開発された効率のいいかまどをつくり、使っています。
 現在の住宅消費は80ギガジュール。これを灯油換算すると一日6リットル。木質ペレットと同等だとすると、木質ペレットは灯油の約半分の熱量。10kg=約10リットルなので、薪10kgは灯油5リットル程度。妥当な線だと思います。
ヒノキの比重は 0.41t/m3です。つまり、1立方メートルあたり410kgの重さです。ざっと400kgとした場合、0.025立方メートル。大体、直径40cm、高さ30cm程度の丸太ひとつ分になります。この大きさは実感として、納得できます。年間を通じて1日、10kg/日だとしても年間で3650kg。約9立方メートルです。夏期のことを考えても、約6立方メートル程度だと思います。
 太陽熱温水器はまだつけていませんが、静岡は快晴率が高く、真空管式なら冬季でも追い炊きが必要がないほどです。太陽熱温水器をつければ、年間の薪の量は4?5立方メートル程度でしょう。1.8m×1.5m×0.4m=1.008立方メートルの棚が5つ分あればいいことになります。
 かつては里山には入会地(共有林)があり、そこで薪を確保していました。自宅古民家の裏山は、薪炭林としてコナラが植えてありました。実際、しいたけ栽培に使っているコナラは、裏山から切り出しています。もちろん薪も拾っています。入会地の間伐材は、お米のはざかけや洗濯干し、土木工事、薪などに使われ、大きく育てた木は売り、公民館や学校建設の資金にしたと聞きました。道普請と同様に、今でも伐採は地域の男衆が行っています。
 僕が想定しているのは、地域で米や野菜をつくり地域で消費する、地域で森林を管理し地域で活用する、地域でエネルギーをつくり地域で消費することです。収穫したての野菜は栄養価が高く、収穫して数時間後には食卓を彩り、収穫量が減ったとしても無農薬のお米をかまどで炊き上げおいしいご飯になります。水田のあるところ水路あり。小水力発電ができます。ローテクとコミュニティで田舎を再生すること、要は価値観だと思っています。「近頃は田舎でも、焚火をして煙が上がったら怒鳴り込まれる。」ということもありますけれど…。

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