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Wednesday, November 7, 2018
建設・ゼネコン、発想と事業転換が今こそ必要だ…。
●日本の建設業、欧米並みにいよいよ新築市場から再生市場への転換期…。
マンションは、新築よりも中古に注目!
日本の建築物のストックメンテナンス(特に建築物の改修・補修)時代に、本格的に入った
と言える。今、老朽化進む鉄筋ビルの商業施設、マンションの他に戸建て住宅を含む修繕
を必要とされる建築物のストックが全国約で、驚くごとに約800万棟あると言われてい
る。建設業界は、これら建築物を壊して建て直す、かってのスクラップ&ビルドでなくて、
改修・補修による長寿命化を図る事業チャンスが拡大しているのだ。
●マンションは、新築よりも中古市場の流れ
東日本不動産流通機構(千代田区)と不動産経済研究所(新宿区)の調べによると、首都圏(東
京、埼玉、神奈川、千葉の一部)では、2017年新築マンションの契約戸数が3万5952戸だっ
たのに、中古マンションの成約戸数3万7,829戸だった。2016年に続き、中古が新築を上回っ
てしまったのだ。理由は地価や建築資材の上昇、人手不足等による人件費の高止まりで、発
売戸数の減少に伴う新築価格が高騰しているからだ。したがって首都圏のマンションの販売
価格は新築と中古との差は広がるばかりだ。例えば2017年現在、新築が約6000万だったのが、
中古が約3000万円。購入者にしてみれば同じ広さなら、自ずと中古を選ぶだろう。さらに国
の中古マンションの流通を促進する政策・制度も追い風になっている。所轄の国土交通省で
はマンションのストックが増大する中「新築よりも価格が手頃で良質な中古マンションを多
く流通させて、住宅取得を望む人にチャンスを与えたい」と同省担当者。
●再生市場の拡大は新たな事業創出チャンス!
老朽化した中古マンションの再生は、さまざまな事業に及ぶばかりか、購入者の多様なライ
フスタイルは新たな事業チャンスをつながるだろう…。増大する中古を延命させるための建
築物の構造維持・保全、あるいは機能更新等の従来の改修・補修事業の拡大。個別な部屋の
インテリア改善等は多様なニーズを生むとともに、新しいシーズ(仕事や商品等)を喚起する
契機になったり。加えて地球温暖化抑制の省エネや屋上緑化、燃料電池の他に、VOC等の有害
物質含む新建材の代替品、快適生活を楽しむための環境グッズ使用等のさまざまな政策的な
誘引が後押しする。
●広がる多様なビジネス
スクラップ&ビルドに突き進んできた新築優先の新築市場から中古に手を加えて中古を蘇生
させる再生市場への変化は、景気・経済循環の原動力になり得る可能性は十分にあるとみる。
つまり再生市場には、従来の建築工学からみた改修・補修、建築物の使用・運用からみたエ
ネルギー管理、環境・健康に配慮から考える室内浄化等、多様なビジネスが視野に入ってく
るのでは。しかし多くの建設・ゼネコンは、再生市場で得られる売上よりも、大きな売上を
期待できる新築市場にしがみついているように思える。今こそ発想・事業の転換が必要なの
だ…。