2018年12月5日水曜日

廃パソコンリサイクル 1999.03


普及が加速するパソコン。 今や年聞の販売台数は冷蔵庫や洗濯機を追い抜いた。 が、 それは同時に廃棄量の増大も意味する。 将来的には「家電リサイクル法」の対象となることもほほ決まっており、 廃バソコンリサイクル関連ピジネスは必要性が高まっている。

〇増える出荷台数と廃パソコン発生 94年度に335万台だったパソコンの出荷数は、ウィンドゥズ95が発売された9S年度以降急増した。 95年度570万 台、96年度720万台、 97年度685万台。 98年度は720万台になる見通し。出荷台数が増えれば、当然廃バソコンの数も増える。パソコンメ一カーの団体、 日本電子業振興協会の推計で は、97年度の廃バソコン発生量は約4.1万 ト ン (製品寿命7年と仮定し、90年度の出荷台数から算出〉 。 2002年度 には約13万トン(うち家庭系4万トン) になると推定する。

 〇廃パソコンリサイクルの現状 廃パソコンの回収率や、 回収されたものがどれだけリ サイクルされているのかなどは明らかになっていないが、現状でリサイクルが進んでいるのは企業向けのもの。 企業の場合、リース形式で購入することが多いためで、 更新の際などにまとまった量の廃バソコンがリース会社に戻ってくる。これをリース会社がバソコンメーカーのリサイ クルセンターや再資源化業者に委托するという流れは確立している。 またメーカー直販の場合で も、 多くのメーカーで自社製品の回収を行っている。 一方、 家庭用のバソコンは、 最近では通販など販売・流通経路が複雑化、 回収ルー トは未整備だ。 自治体ヘ粗大ごみとして出されるケースが多いと思われる。 また中古販売業者に下取りに出され、再販されなかったものはリサイクルに回されることがある。

〇廃パソコンリサイクル関連ピジネス 家庭用については回収システムが未整備とはいえ、 パソコン出荷数の7 割程度を占める企業向けを中心にさまざまなリサイクルピジネスがすでに動き始め、 成立している。

〇回収サービス - リ ース会社と契約している運送会社やメーカー関連の物流会社などが回収してぃろケースが多いが、 独自に回収ルートを構築し、 事業化しているところもある。 大手では、 日通が97年から廃バソコンの回収ビジネスを始めている。 ポイントは三菱商事、産廃処理業者のリーテムとの提携。 三菱商事が廃OA機器などを抱えたリ ース会社、 一般事業所を対象に営業を担当、 日通が集荷しリーテムの処理工場まで搬送、リーテムが中間処理を担当するという一連の流れが出来ている。 クライアントは50kg1セッ トで6500円を払う。情報機器の販売、 システム構築などを手掛ける日本オリベッティが98年末から始めたサーピス、 「DisposeIT」 もおもしろい。 事業免許の関係で回収、 中聞処理、 再資源化は外部委托、 同社は窓囗業務だけでパソコンなどを引き取り、 リサイクルルートに乗せるというもの。 科金は台数によって異なり、 10台以下の場合はー台あたり2 万円。 事業規模は年間5000万円程度と同社では見ているが、 システム導入時のコンサルから販売、 保守、 管理、 廃棄までを一貫して提供できるのが強みで、 現業の延長上にこの新事業はある。

〇中間処理 廃バソコンはさまざまな部品、 材質で構成されてい る。 取り外せば再利用も可能なケーブル類、 畜電池類な どの部品、 再資源化が容易な鉄製部品、 貴金 ・ 非鉄金 属を含むプリント基盤、 モニターなどのガラス類、 ハー ドディスクのアルミ、 ブラスチック類など。 これらを再利用、 再資源化ヘ回すためには、 より精度の髙い分解、分別、破砕、 いわゆる中間処理が重要な鍵を握る。 メーカーでも中間処理を行なうリサイクルセンターを自社で持つところが増えている。 全国に5ヵ所の収集タ一ミナル、5カ所の工場を持っ富士通などが先進的。

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