昭和という舞台で綴られた詞の風景――星野哲郎の歌と言葉(1960年代後半)
1960年代後半、戦後の混乱から立ち直り、急速な経済成長を遂げる日本。その只中にあって、作詞家・星野哲郎は庶民の喜怒哀楽を詩に託し、多くの人々の心を打つ名曲を世に送り出した。水前寺清子が歌った「三百六十五歩のマーチ」は、前向きに生きることを明るく歌いあげた応援歌として広く愛された。一方、北島三郎との「なみだ船」や「兄弟仁義」では、別れや義理人情といった昭和の男たちの心象風景が、情熱的な言葉で描かれている。「夫婦春秋」においては、内助の功を讃える詞で家庭の情を綴り、鶴田浩二の「男のブルース」では、言葉少なに哀しみを滲ませる男の背中を描き出した。星野の歌詞には、人生の陰影と誠実さが滲み、どれもが当時の庶民の心に寄り添っていた。歌を通して描かれたその世界は、昭和�
�いう時代の人間模様そのものだった。
No comments:
Post a Comment