Wednesday, April 2, 2025

岩手県奥州市・胆沢区のバイオエタノール事業 2007年6月

岩手県奥州市・胆沢区のバイオエタノール事業 2007年6月

岩手県奥州市胆沢区では東京農業大学と連携し米を原料としたバイオエタノールの生産に取り組んでいます。この事業は旧胆沢町が2004年に開始し2006年2月の市町村合併後も奥州市の地域エネルギー推進室が継続して推進しています。食料・福祉・コミュニティ・エネルギーの4つの自給構想を基盤に地産地消による資源循環とCO2削減、農業振興を目指しています。

「イネイネ・日本」プロジェクトの一環としてホールクロップ・イネ(未成熟の稲全体)を用いたエタノール製造技術を開発。東京農業大学が開発した固体発酵方式では酵素と酵母を加えて発酵させ排液が発生しないため処理エネルギーを削減できます。また設備が簡素で専門知識を必要とせず発酵残さは飼料や肥料として活用できる利点があります。

2006年にはもみ殻付きと玄米(いずれも「ひとめぼれ」)を用いて蒸留温度65度で東京と奥州市の2か所で比較実験を行い寒冷地である奥州市の方が蒸留効率が高くもみ殻付きの方が生産量も多かったことが判明しました。現在はセルロース分解酵素の開発とCO2の液化回収の検討も進行中です。

この事業では川上(原料供給)から川中(製造)、川下(利用)までを含む一体的なシステム開発を構想。燃料としてはE3(3パーセントエタノール混合ガソリン)や農機具、ハウスボイラー、厨房、家畜の消毒用など多用途が検討されています。

また2006年には米国ミネソタ州農業局や全米トウモロコシ生産者協会などの関係者を奥州市に招き国際シンポジウムを開催。米国でのトウモロコシ利用を検証し東北地方の水田を活用した独自のビジネスモデルの確立を目指しています。

2007年1月には住民主導の「胆沢新エネルギー研究会」が発足し農業者自身の主体的な参画によるエネルギー事業の開発を進めています。将来的には2008年に小規模プラントを建設し2009年以降の本格展開を視野に入れています。

この奥州市の取り組みは国産資源を活かした持続可能なエネルギー社会の構築を目指す先進例として注目されています。

関連情報源

1. 東京農業大学ではセルロース系バイオエタノール原料作物の栽培研究を通じて持続的な栽培システムの構築に取り組んでいます。

2. 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は「バイオ燃料製造の有用要素技術開発事業」の事後評価報告書を公開しています。

3. 日本農業研究所は農村地域の持続的発展を目指す社会技術の研究開発に関する報告書を発表しています。

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