Sunday, September 20, 2026

借金の嵐を笑い飛ばす 戦いすんで日が暮れて 1967年-1969年

1967年、佐藤愛子の夫で作家の田畑麦彦が手がけた事業が失敗し、多額の借金が残った。佐藤は債権者への対応や返済に追われ、その苛烈な経験をもとに戦いすんで日が暮れてを書いた。講談社によれば、作品は弱気な夫と巨額の負債を背負った妻が、休む間もなく奮闘する姿を、ユーモアとペーソスを交えて描く。 作品は1969年に単行本として刊行され、同年上半期の第61回直木賞を受賞した。日本文学振興会の受賞記録にも、佐藤愛子、戦いすんで日が暮れて、講談社と記録されている。佐藤の経歴を扱う資料にも代表作として掲げられており、後年の血脈や九十歳。何がめでたいへ連なる、逆境を怒りと笑いに変える作風の重要な出発点となった。 実生活では夫の会社倒産、離婚、借金返済が重なったが、佐藤はそれを単なる悲劇として閉じなかった。弱さや身勝手さを含む人間の姿を笑いの中に置き、苦境そのものを文学へ変えた。題名には戦いが終わった後の疲労と静けさが漂うが、その背後には、生活を立て直そうとする一人の女性の粘り強さが刻まれている。

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