2018年12月5日水曜日

開発進むエコマテリアル…。

<注目されるエコマテリアル>

環境の負荷改善に寄与、あるいは素材そのものが環境への負荷が少ないエコマテリアル(環境配慮型新素材)が注目され、すでに私たちの身の回りの製品の材料として幅広く使われている。その多くは素材開発では世界に先行する日本発のメイド・イン・ジャパンなのだ。

●バイオプラスティッくク
 プラスチック製品は建材から車両、繊維、日用品等さまざまな製品に使われて、今や材料として不可欠な素材になっている。しかしこのプラスティックも多くの問題を抱えている。そのほとんどがいずれも枯渇してしまう有限な石油資源であこと。採取から利用、廃棄までの過程において温室効果ガスCO2の排出、焼却時には有害な大気汚染物質の拡散、使用済み製品は自然環境下に放置されると分解に時間がかかるため環境汚染の原因にもなる。こうした環境負荷、枯渇性の高い石油系プラスティックに代わる植物由来のバイオプラスティックの研究・開発スタート。バイオプラスティックの特長は植物由来で再生可能で、カーボンニュートラル(CO2排出なし)な素材であり、微生物によって分解される等が挙げられる。
 1990年代半ばからが使用試験始まったが、耐熱性や耐久性に問題が生じて、一部の製品に限られて使われるに留まっていた、しかし2010年前後から改良が進み、現在では多様な用途に使われている。例えば容器、包装用資材、文具・日用雑貨、電子機器、自動車関連、農業・水産資材、建築・土木資材等。
 バイオプラスティックの原料はこれまでトウモロコシの実等から採るデンプンが主流だったが、最近では非作物系植物から原料調達も可能になってきている。

●光触媒
二酸化チタンを触媒とした光触媒の用途がこのところ急拡大中だ。1990年当初から東京大学の研究グループによって実用化の道が拓かれた。紫外線を光触媒に照射すると、汚れ分解・抗菌・消臭機能を持つ二酸化チタンをコーティングした材料が開発されたことで、現在は抗菌タオル、トンネル照明カバー、空気清浄機のフィルター等広く実用化されている。代表的な製品はTOTOのバス、トイレ、キッチン製品。一方、光触媒を利用して水から取り出した水素を燃料電池に供給する機器も開発されている。光触媒を利用した製品を一堂に展示した「光触媒ミュージアム」が川崎・溝の口に常設されているので、光触媒に関心ある方はのぞいて観てみたら、どうか?

●その他のエコマテリアル
遮熱塗料、水性・紛体塗料、非スズ系船底塗料、植物インク、鉛フリーダ、VOC(揮発性有機化合物)フリー接着剤、六価クロメートフリー鋼板、フロン代替材等が開発され、環境負荷の改善に寄与している。

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