2024年8月20日火曜日

1号 - 環境技術ーまとめ - 1994年8月




### 焼却灰リサイクル技術
タクマが開発した焼却灰リサイクル技術は、焼却灰を25ミリ以下に粉砕し、セメントと混ぜてブロック状に圧縮することで建設資材として再利用するものです。この技術は既存の焼却施設と連携して使用できるため、廃棄物の有効活用とリサイクル資源の最大限の利用が可能になります。また、大阪ガスなどが共同開発したブロックは、天然の砂利や砂を一切使用しない点が特徴です。

### 下水汚泥リサイクル技術
東京都立工業技術センターと月島機械の技術により、下水汚泥をセメントや他の材料と混合して建材として再利用する技術が開発されました。この技術は、下水汚泥を肥料や建築資材として利用するだけでなく、都市部の緑化事業や公園整備にも活用されており、リサイクルの可能性を広げています。

### 下水汚泥からの結晶ガラス技術
下水汚泥を溶融し、結晶ガラスを生成する技術は、石灰石やケイ砂を加えて焼成することで強度を高め、大理石に匹敵する建材を作り出します。この技術は酸性雨にも強く、建築用内外装材や造園用石材として期待されています。再生資源の利用を促進し、環境負荷の低減に寄与する革新的な技術です。

### 生分解性プラスチック「ビオノーレ」
昭和高分子と昭和電工が共同で開発した生分解性プラスチック「ビオノーレ」は、自然環境で分解される特性を持つ新素材です。ポリエチレンに似た品質を持ちつつ、従来の加工技術での製造が可能で、コスト面でも優位性があります。この技術は、プラスチック廃棄物の問題解決に向けた重要な一歩です。

### インターロッキングブロック製造技術
大阪ガス、大林組、京阪コンクリート工業の3社が共同で開発したインターロッキングブロック製造技術は、天然の砂利や砂を一切使用せず、スラグとコークスから製造されるリサイクル技術です。このブロックは道路舗装用として利用され、100%の資源有効利用を実現しています。

### 焼却灰からのスラグ水質浄化技術
近畿大学農学部の研究によると、焼却灰を溶融して生成されるスラグには、水質浄化作用があります。この技術は、スラグの多孔質構造を利用して水槽内の汚れや藻の発生を抑えるもので、環境保全に貢献する新しいリサイクル技術として注目されています。

### 汚泥からの建材・紙製造技術
横浜市とNKKが共同で開発した技術は、下水汚泥から紙や建材を製造するものです。この技術により、汚泥を再利用して強度のある紙や建材を製造でき、リサイクルの範囲を広げることができます。特に、低コスト化が今後の課題とされています。

### ハイペット瓦固定土技術
埼玉県環境保全公社と深谷配合粘土工業が共同開発した「ハイペット瓦固定土」は、瓦を固定するための土として使用されます。年間1万トンの生産が目指されており、この技術は環境負荷の低減とリサイクルの推進に貢献しています。

### ISO14000シリーズの環境管理規格
ISOが進める環境管理規格「ISO14000シリーズ」は、企業の環境管理体制の標準化を目指すもので、国際的に統一された環境マネジメントシステムを提供します。この規格の導入により、企業の環境負荷の削減と持続可能な社会の実現が期待されています。

### エコビジネス市場の拡大
環境庁の試算によると、エコビジネス市場は2010年までに26兆円に達する見込みです。市場は、省エネビルや新交通システムの導入を含む社会基盤の整備を中心に成長しており、特に廃棄物管理ビジネスが大きな成長を見せています。

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