Wednesday, September 24, 2025

緑の購買者たちの対話―グリーンコンシューマー運動の10原則 2001年

緑の購買者たちの対話―グリーンコンシューマー運動の10原則 2001年

2001年前後の日本では、循環型社会形成推進基本法やグリーン購入法が相次いで施行され、消費行動そのものが社会を変える力を持つという意識が芽生えていた。注目されたのが、環境配慮型の商品やサービスを選んで購入する「グリーンコンシューマー」である。彼らはライフスタイルを通じて企業や市場の方向性に影響を与えようとし、その存在は環境政策の実効性を高める市民側の動きとして注目された。

当時、日本での実践者は数%にすぎず、ドイツのように国民の大多数が環境配慮型商品を選ぶ社会には遠かった。それでも若い世代を中心に支持が広がり、10%を超える日は近いと見られていた。背景には、バブル崩壊後の公共事業批判や、京都議定書採択後の温暖化対策を国内に根付かせる必要性があった。消費者教育の不足を補う新しい価値観として、グリーンコンシューマー運動は社会的注目を浴びた。

この運動の中心に据えられたのが「10原則」である。必要なものを必要な量だけ買う、長く使えるものを選ぶ、包装の無い商品を優先する、資源やエネルギー消費の少ない製品を選ぶ、化学物質による環境負荷の少ない商品を選ぶ、自然や生物多様性を損なわないものを選ぶ、地産地消を意識する、公平な分配が保証される商品を支持する、リサイクル製品やシステムを活用する、そして環境情報を公開するメーカーや店舗を選ぶという内容であった。

すべてを満たすのは難しいが、日常の選択が積み重なれば社会の価値観を転換させる力となる。消費者が行う静かな選択は、企業に「持続可能な商品を生み出せ」と迫る無言の対話でもあり、経済成長優先から環境重視へと社会の軸を移しつつあった。こうしてグリーンコンシューマー運動は、消費の場から始まる小さな革命として21世紀初頭の日本に根を下ろしていった。

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