青春の微笑み ― 内藤洋子と1960年代後半
内藤洋子(1950年生まれ)は、高度経済成長の華やぎの中で登場し、1960年代後半から1970年代初頭にかけて青春の象徴として人気を博した女優である。松竹に入社後、1967年に『旅の長い坂道』でデビュー。可憐で柔らかな雰囲気を持つ彼女は、1969年のテレビドラマ『おくさまは18歳』で大ブレイクした。女子高生ながら結婚するというユーモラスな設定の中で、自然体の演技を披露し、映画版も制作されるほどの社会現象となった。さらに『進め!ジャガーズ 敵前上陸』(1968年)や『でんでん虫と冷蔵庫』(1968年)などの青春映画にも出演し、音楽やファッションと結びついた時代の明るさを体現した。歌手としても「白馬のルンナ」(1969年)がヒットし、澄んだ声と少女らしい雰囲気で多くの若者を魅了した。1971年に引退し翌年結�
�と、短い芸能生活であったが、時代を象徴する存在として強い印象を残した。同世代の栗原小巻が知的な女性像を、小山ルミが華やかさを示したのに対し、内藤は可憐さと透明感で異彩を放った。彼女は山口百恵や天地真理が登場する直前の青春派黄金期を彩る女優として、今も昭和の記憶に刻まれている。
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