Thursday, September 18, 2025

再生素材の日用品とエコ雑貨 ― 1990年代の環境配慮型商品ブームの中で

再生素材の日用品とエコ雑貨 ― 1990年代の環境配慮型商品ブームの中で

1990年代、日本では地球サミットや京都議定書を契機に、環境配慮型のライフスタイルが注目され始めた。大量消費と廃棄の時代から、製品寿命を延ばし資源を循環させる方向へと価値観が移り、エコ雑貨が市場に登場した。その代表例が、再生紙100%を用いた「エコラ」シリーズである。輪島塗の技術を組み合わせたトレーや茶托は高い耐久性と意匠性を備え、塗り直しによる長期使用が可能となった。従来のリサイクル製品を超え、伝統工芸と循環型消費を融合させた試みであった。また、トウモロコシ由来の乳酸繊維「ラクトロンJ」で作られた世界初の入浴タオルは、生分解性を持ち廃棄後は土に還る点で革新性を示した。これは石油依存からの脱却や廃棄物削減に直結し、当時研究が進んでいた生分解性プラスチックの実用化�
��象徴していた。これらの製品は単なるごみ削減を超え、伝統と先端技術を融合した「新しいエコデザイン」の方向性を示し、バブル崩壊後の質的転換期において「持続可能な社会」実現への意識を生活文化に結び付ける重要な契機となった。

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