富山市 ― 環日本海交流と環境拠点化の先駆け ― 2002年の視座

富山市 ― 環日本海交流と環境拠点化の先駆け ― 2002年の視座

2002年当時、富山市は産業基盤として全国トップのシェアを誇るアルミ工業を抱え、日本海側の重要拠点港である富山港を通じてロシアや韓国、中国との交流を深めていました。この産業力と地理的優位性を背景に、国際環境協力の舞台となる可能性が注目され、国連環境計画（UNEP）が推進する北西太平洋地域行動計画（NOWPAP）の本部事務局が富山市に設置されることとなりました。これにより市は国際的な環境政策の拠点として大きな期待を担いました。また、同時期に進められたエコタウン事業は産業廃棄物の資源化やリサイクル技術の集積を通じて環境と産業の融合を図り、国際的な人的交流の拡大にもつながりました。2001年には市としてISO14001認証を取得し、自治体レベルで環境マネジメントを導入する先進的な試みを実現。�
��景には循環型社会形成推進基本法（2000年施行）や環境基本計画の改定など、全国的に環境政策を重視する流れがありました。バブル崩壊後の停滞期にあっても富山市は環境を地域振興の軸に据え、国内外に強い存在感を示したのです。