Friday, September 12, 2025

都市の鼓動と分別の未来 ― 豊島区の挑戦 2003年の視座

都市の鼓動と分別の未来 ― 豊島区の挑戦 2003年の視座

2003年度から始まる容器包装リサイクル法に基づく第3期分別収集計画では、対象品目が缶やガラス、紙、プラスチックに大別される11品目に整理され、その初年度からすべての品目を分別収集する先行自治体の1つとして豊島区が名を連ねました。同時に青梅市や町田市、小平市、国分寺市、福生市、羽村市、瑞穂町、青ヶ島村が並び、2年目以降には国立市と奥多摩町が追随する構図が描かれていました。人口が密集する都市型自治体としての豊島区にとって、この全品目対応は大きな挑戦であり、収集体制の確立や住民への周知徹底が不可欠でした。

東京都全体の見通しとしては、容器包装廃棄物は2003年度の約995070トンから2007年度には1012408トンへ増加すると想定されていました。それに対し分別収集の見込み量を2003年度の340511トンから2007年度までに約5万トン増やす目標が掲げられており、豊島区の一括対応はその底上げを担う役割を果たしました。資源循環を早期に定着させる取り組みは、制度移行期における先駆けの事例として注目されました。

この挑戦は単なる廃棄物対策にとどまらず、都市生活における資源利用の在り方を問い直す契機ともなりました。分別ルールの明確化や啓発活動、収集スケジュールの整備といった取り組みは、循環型社会を支える都市モデルの原型を示したのです。

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