中国・賀州市 - 超々臨界石炭火力発電所の進展(2011年12月から2020年代まで)
2011年12月、電源開発株式会社(Jパワー)、三井物産株式会社、日本政策投資銀行(DBJ)は、香港本社を持つ華潤電力控股有限公司(華潤電力)が開発する中国広西チワン族自治区賀州市の超々臨界(USC)石炭火力発電所プロジェクトへの参画を発表しました。このプロジェクトは、100万kW級の発電ユニットを2基備え、総出力は約200万kWに達します。USC技術の採用により、従来型発電所に比べて熱効率が高く、CO2排出量を抑制する設計となっています。
日系3社は、華潤電力と共同で「JM Energy」を設立し、中国政府の許可を得た後、正式に出資参画が決定。1号機は2012年8月16日に、2号機は同年11月4日に営業運転を開始しました。これにより、Jパワーの海外IPPプロジェクトは合計30件、総出力約1750万kW(持分出力約403万kW)に達し、日系企業の技術が中国における低炭素社会の実現に貢献しました。
2020年代に入ると、中国全体でのエネルギー需要の増加に対応するため、石炭火力発電所の建設が続きました。2022年には世界全体の6倍に相当する石炭火力発電所の建設が開始され、2023年1月時点で日本の20倍の設備容量を保有しています。一方で、再生可能エネルギーの普及に伴い、2024年上半期には新規許可数が前年同期比で83%減少し、9GWにとどまりました。
賀州市のUSC石炭火力発電所は、中国南部地域の電力供給において重要な役割を果たしていますが、石炭火力発電全体の増加は地球温暖化対策上の課題となっています。今後は再生可能エネルギーのさらなる導入や既存発電所の効率化が求められており、賀州市の発電所は持続可能なエネルギー利用のモデルケースとして注目されています。
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