Friday, September 12, 2025

眠れる鉱脈、都市に眠る宝 ― 2025年9月

眠れる鉱脈、都市に眠る宝 ― 2025年9月

日本国内には約3000万台もの廃スマホや家電が未回収のまま眠っており、それらは「都市鉱山」と呼ばれる潜在的資源の宝庫とされています。金や銀、銅、レアメタルなどが豊富に含まれ、特に電気自動車用電池や再生可能エネルギーに必要なコバルトやレアアースは国際的にも需給が逼迫し、戦略的な価値が高まっています。しかし現行のリサイクル制度は品目ごとに縦割りで設計されており、効率的な資源回収が妨げられてきました。そのため、横断的な仕組み作りや自治体と民間の協働が求められています。さらに、自治体による回収拠点の拡充やポイント還元といった市民参加型の促進策も議論されています。背景には資源輸入に依存してきた日本の脆弱性があり、半導体や次世代電池材料の価格高騰が続く中、国内資源の活�
�は安全保障や産業競争力の観点からも急務となっています。またSDGsや脱炭素社会の理念が広がることで、消費者も廃棄物を資源として再評価する動きが強まりました。こうした流れはリサイクル産業を拡大させ、2030年には繊維リサイクルを含む関連市場が数千億円規模に成長すると予測されています。都市に眠る鉱脈を掘り起こすことは、循環型社会の形成と未来の産業基盤の両方に直結するのです。

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