ラジオからFMへ ― 1970年代後半のメディア変革
1970年代後半、日本の放送業界は転換期を迎えていた。戦後復興から高度経済成長期にかけて庶民の主要メディアだった中波ラジオは、テレビの普及によって役割を縮小しつつあった。家庭にカラーテレビが広まり、娯楽の中心がテレビへ移る中、ラジオが生き残るには新しい道を模索する必要があった。その時代に注目されたのがFM放送である。音質の良さが求められ、特にロックやフォークに熱中する若者たちにとってFMは魅力的なメディアとなった。深夜放送の人気と相まって、AMからFMへの移行は必然的な流れだった。記事では文化放送の大沢秀人編成部長が、従来のテレビ連携路線からFM重視へ方針を転換する姿勢を示し、若年層をどう取り込むかが放送業界の課題だと語っている。オイルショック後の経済停滞の中でも若者文�
��と音楽産業は拡大を続けており、FMへのシフトは単なる技術革新ではなく新しい市場を切り開く挑戦だった。やがてこの流れは1980年代のFM番組や音楽ブームへつながり、放送文化に大きな変革をもたらすことになった。
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