病院や診療所から排出される注射針、血液の付着した器具、検査材料などは、扱いを誤れば、収集作業員や処理施設の職員を傷つけ、感染を広げる危険がある。1998年の資料は、医療廃棄物の不適正処理が各地で問題となり、排出から最終処分までの流れを確認する管理制度の徹底が求められていた状況を伝えている。医療機関は、廃棄物を感染性の有無や材質によって分別し、鋭利な注射針などを丈夫な専用容器へ密封したうえで、許可を持つ事業者へ引き渡す必要がある。 現在、感染性廃棄物は、人が感染するおそれのある病原体を含む、または付着している廃棄物として位置付けられ、通常の廃棄物より厳格に管理されている。東京都では、処理を外部へ委託しても医療機関の責任は消えず、適切な業者の選定、契約書の作成、管理票による処理経路の確認が必要とされる。事業場には管理責任者を置き、保管、収集、運搬、焼却、溶融、滅菌などの各段階で、漏出、飛散、針刺し事故を防がなければならない。1998年に表面化していた問題は、制度の整備を経た現在も、医療を陰で支える安全管理の課題として続いている。
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