青森県今別町では、ホタテ加工後に大量に発生する貝殻を、廃棄物ではなく地域資源として利用する取り組みが進められた。八戸工業大学の研究グループと企業は、1999年頃からホタテ貝殻の有効利用について産学共同研究を開始し、2001年には今別町に年間3000トンの貝殻微粉末を生産できる工場を建設した。 貝殻を細かく砕き、異なる温度で焼成した粉末から、内装仕上材などが開発された。代表的な製品では、貝殻由来の粉末を水に溶いて壁面に施工し、ホルムアルデヒドなどを吸着する機能を持たせている。水産加工の副産物を建築材料へ転換することで、廃棄物の削減と新たな環境ビジネスの創出を同時に目指した取り組みだった。 海辺で処分されていた白い貝殻が、加工と技術によって住宅の壁をつくる素材へと姿を変える。今別町の事例は、水産業、大学研究、企業活動を結び付け、地域に眠る資源を地域産業へ戻していく循環型社会の可能性を示した取り組みである。
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