2019年12月23日月曜日

太陽熱利用(2011年11月20日 )

太陽光発電に次いで、2012年からは太陽熱利用が速かに普及するだろう。電力を生み出す太陽光発電に比べ、用途は限られるも、エネルギー変換効率(集熱効率)は40%以下で、設置費用も太陽光発電の3分の2で済むのが特徴。太陽熱を集約器であつめ、温水や暖房の熱源として利用するものだが、一般家庭で給湯に利用する場合、夏場なら60%以上の温水が得られる。標準的な温水器(集約器面積6m^2、蓄熱槽300リットル)で、1年間に給湯に使うエネルギーの約95%(灯油換算で445リットル)削減可能だ。きんえんでは一般家庭の設置件数も次第に増えている。技術面でも電力・ガス会社では高効率ヒートポンプ給湯器の熱源(ガス、空気熱)に太陽熱を併用するハイブリッドタイプの開発。また業務用空調システムに太陽光利用の研究も進んできている

太陽熱利用の普及に熱心な東京都は、新しい助成制度を設ける。新築マンションでで給湯や床暖房に活用する試みで5年間で5000戸分、20億円の予算を組む。1戸あたり約1000万設置費用の半分〜4分の1をマンション開発事業者に助成するという。都は9〜10年度に太陽熱機器の設置助成制度を設けたが、申請件数は約270件と想定外に少なかった。12年からは新制度で普及を目指す。他の地域の都市部では、戸建て住宅の他にマンションのバルコニーに太陽熱利用システムを設置するケースも増えている。太陽光パネルと比べ、面積も3分の1または4分の1程度で済み、設置費用も比較的安く済むというメリットがじわり浸透してきているからだ。

ソーラーシステム振興協会の広報は「東京都の新制度による追い風や設置件数の増加は、太陽熱利用の普及、製品の技術開発に弾みがつき、市場拡大につながる」と読む。原油価格の低下などでの需要減で80年に設置数が約80万台に達したものの、以降低調の太陽熱利用だったが、12年から大きく動きだすのは間違いない。

2019年12月2日月曜日

蓄電池の需要拡大している

蓄電池の需要拡大中

地産地消の再生可能エネルギー、電気自動車、家庭・太陽光発電用蓄電池の需要が
高まっている。蓄電池は身近なところではスマホや電気自動車のバッテリー等に使
われている。私たちがよく使う一般的な単三電池等は一次電池と言い,使い捨て放電
のみ。一方、繰り返し何度も使用可能な電池を二次電池と言う。この蓄電池の需要
が急速に伸びている。その現状を追ってみた。

●現在での商機は家庭・太陽光発電用蓄電池

個人住宅の太陽光発電で余った電力を買い取ってくれる「固定価格買い取り制度」の
適用期間が、11月で順次満了日を迎える。その後、余った電力をどう使うか?
その電力を一時的に蓄電する蓄電池の需要が拡大するのはほぼ間違いないのだ。

ちなみに「固定価格買い取り制度(FIT)」とは、太陽光や風力等の再生可能エネルギー
で発電した電力を国が決めた価格で電力会社が買い取る制度。2009年11月にスタート
した。適用期間が10年間で、今年11月から順次満了するため「蓄電池」の需要が出て
きた。資源エネルギー庁の調べによると、年内に約53万件、2021年までに100万件余り
23年までに約165万件の住宅で満了を迎える。

従来通り電力会社に売電するこちも可能だが、ただし09年に電力の売買を始めた家庭で
は買い取り価格(1キロワット時)が48円だったのに固定されていたが以降、超低価格に。

例えば東京電力エナジーパートナーの「標準プラン」では買い取り価格が大幅に減少して
8・5円に。国と電力会社の再生可能エネルギーへの関心の薄さを物語っている。買い取
り価格がかくも安く抑えられてたのをきっかけに、各家庭では電力会社に売電を止めて今
後は「自家消費」に切り替える動きが濃厚だ。そのための蓄電池の用意したり、あるいは
買い取り価格の高いところに売電する契約先を選択する家庭が出てきてもフシギではない。
そんな需要予測で蓄電池市場が増える見込みだ。

●蓄電池メーカーの対応

電機メーカー各社は、家庭向け蓄電池の品揃えを始めた。
パナソニック、シャープ、京セラ、オムロン、長州産業等の蓄電池メーカーが代表選手だ
が、各社特長活かした技術を市場投入を図っている。蓄電池の価格はこれまで200~300
万円が相場だったが、現在は100万円以下の価格帯が中心。シリコンバレーから出てきた
ベンチャー企業で、従来の内燃機関(エンジン)の省エネに技術開発してきた自動車メーカ
ーとは氏・素性がそもそも異なる米電気自動車(EV)大手ステラが約100万円の蓄電池を来
春、販売予定が背景になっている。

日本EVメーカーも搭載する蓄電池利用のピーアールに忙しい。

調査会社シード・プランニングの調べによると、蓄電池の年間出荷台数は2018年度の約7
万代台から、22年度には15万8000に増えるだろう、と言う。

●蓄電池の種類

蓄電池とは、電力を充電して蓄え、繰り返し使用できる電池システムだ。利用範囲は自動車
バッテリー、ノートパソコン、携帯電話等さまざまだ。使い切りの蓄電池には、マンガン乾
電池、アルカリ乾電池ボタン電池がある。

二次電池と呼ばれる蓄電池の開発状況はを追ってみると~

●「鉛蓄電池」は1859年に発明された最も古い蓄電池システムだが、今も主力製品だ。コストパ フォーマンスが高く、自動車等に広く使われている。

●「ニッケル・カドムウム充電池」は1988年に発明された。別名を「ニカド電池」だ。最大5人体に影響を及ぼすカドミウム使用につき、近年では生産減少中している。

●「ニッケル水素電池」はカドミウム未使用、充電・放電の速度と電力量が向上し、ハイブリット 自動車等に使用されている。

●「リチウムイオン電池」は小型、軽量で、高い電圧を供給可能にした。現在、スマホ等一番広くされている。

●「NAS電池」は、世界で唯一、日本の蓄電池メーカニカド、ニッケル水素の欠点だった「メモリー効果」

(放電しているだけで内蔵電力が減少してしまったり、電力が残っている状態で充電してしまうと充電容量 そのものが減少してしまうこと)を改善した。現在、開発・生産・量産している大規模電力貯蔵システムの 蓄電池。

その他の蓄電池として家庭用に用途広がる「燃料電池」と「太陽光蓄電池システム」がある。

●蓄電池の出番(商機)は、他にどこに?

太陽光固定価格買い取り制度の満了による家庭向けの蓄電池の需要動向について紹介したが、これ からの蓄電池の需要を追ってみる。戦前・戦中・現在を通して、この国の避けられない命題はエネル ギー資源の問題である。エネルギー資源の90%余りを海外へ依存する日本はこれから将来も純国産エ ネルギー確保が求められる。本格的な再生可能エネルギーや省エネルギーの産業化だ。従来型の輸入 に頼るエネルギー資源による電力供給から純国産エネルギー資源での電力供給が不可欠である。純国 産エネルギー資源とは、自然界に利活用されずに放置されたままの再生可能エネルギーだ。太陽光や 風力、森林、バイオマスの他、ぐるりと海に囲まれた利点からの海洋資源エネルギー等。これらから 得られたエネルギーを積極的に利活用促進することだ。つまり再生可能エネルギーの産業化である。

ちなみに再生可能エネルギーを軸としたエネルギー供給は温暖化対策にも寄与することに。

再生可能エネルギーの安定的な確保に必要なのが「蓄電池」だ。 再生可能エネルギーの課題は、従来の送電線への「電力負荷」の低減や、発電された電力の「安定供 給化」の実現だ。自然の恵みから恩恵を受ける反面、天候等によって、その出力量が左右される。送電網する「系統連系」は、従来の発電施設は電力会社との電力変動予測が可能だが、再生可能エネル
ギーとなると、安定供給が難しい。電力需給バランスを大きく崩すことになるのだ。そこで、発電施設から得た電力をいったん蓄電池・二次電池に蓄えておき、電力需要に応じて送電量を調整するば、 出力のタイミングとその量、ミスマッチを平準化できる。再生可能エネルギー確保には必要不可欠な技術なのだ。

また移動体電源として小型軽量化進む利便性の高さは、多くのIT機器の普及に伴い、用途は広がる一方だ。世界的には電気自動車の需要も拡大している。

省エネルギー対策においても蓄電池・二次電池は占める役割は我が国ではビッグビジネスになり得る「チャンスはいっぱい!」なのだ。