2023年10月19日木曜日

産業廃棄物総量の5割を占める汚泥のリサイクルビジネス - 多様化する用途と市場性 2001.04.20

 厚生労働省が200)年6月に発表した「産業廃棄物の排出及 び処理状況等(平成9年度実績)について」によると、切年 度における全国の産業廃棄物の総排出量約4億1500万トン (前年度比2.6%減)のうち、473%を占め第1位の汚泥(約 `1億9617万トン、同0.4%減)は、わずか5%しか再生利用されていない。残りのうち13%はそのまま、82%については 乾燥、焼却して減容した後、埋め立てられている。下水汚泥に限ってみると有効利用量は約64万トン(汚泥発生時乾燥 重量ベース)。その内訳は、セメント原料や溶融スラグ利用 などの建設資材利用が43万トン、緑農地利用が21万トンと なっている。こうした現状を踏まえ、汚泥をいかに利用し、 最終処分量を減らすかが重要な課題となっている。

レンガ·ブロック化 焼成するレンガ・プロック化に取り組むケースが多い。下水道普及率の高い自治体では、大量に発生する下水汚泥 のリサイクル方法として、汚泥焼却灰をプレス成型した後に焼成するレンガ・ブロック化に取り組むケースが多い。

都下水道局の南部スラッジプラント(大田区城南島)で製造 している「メトロレンガ」や横浜市の「ハマレンガ」がその 代表だが、前処理や焼成にかかるエネルギーコストの問題か ら採算が取れていないのが現実。横浜市を例にとると、市下水道局南部汚泥処理センター (金沢区幸浦)に36億3000万円を投じてライン(年間生産量 80万~90万個)を整備し95年から生産を開始した。が、設備 投資が大きすぎたため、1個当たりの製造コストが原価償却 費、金利返済分含め255円もかかる。

こうした状況の中、同分野で好調なのが、窯業の町、岐阜 県土岐郡の亀井製陶だ。本業の窯業技術と特殊固化技術をミックスして開発した無焼成レンガ「アーザンプリックス」 は、原料の80%以上が、「下水汚泥焼却灰」、石炭火力発電 所から排出される「フライアッシュ」、ガラス原料や窯業用 粘土に含まれる珪砂の採掘くずである「微砂キラ」、藻珪石 の産出過程で発生する副産物「キラ砂」、土地造成など発生 する山土から砂利や砂を採取した残りかす「キラ粘土」など 各種廃棄物。原科は周辺自治体や中部電力、トヨタ自動車な どの企業から運搬費のみを受け取って仕入れている。



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