2019年1月3日木曜日

日本のバイオマス資源量 環境ビジネスここがポイント 2003.01.20

自然エネルギーの中で、利用可能な資源量(地球規模で乾燥重量で1兆8000億トン、純生産量1700億トン)が最も多いバイオマスをエネルギー源として有効活用しようという動きが、国のバイオマス・ニッポンなどの総合戦略策定をインセンティブとして本格化してきた。たい肥や熱源として利用されてきた森林、穀物、草、動物糞尿、海洋植物など農業・畜産・水産資源や食品廃棄物、汚泥など有機性廃棄物をエネルギー(燃料チップ、メタン、メタノールなど)化する。生分解性プラスチックなどに再生使用することで、化石燃料に代替し、CO2削減を図る。

日本のバイオマス資源量は家畜排せつ物が年間9100トン、食品廃棄物が1900万トン、木質系廃材が1500万立方メートル、林地残材は1000万立方メートル、建設廃材は1250マン立方メートル、農業集落排水汚泥が62万トンある。家畜排せつ物は80%の再生利用のほとんどがたい肥だが、各地でたい肥化による河川の汚染問題が起きている。食品廃棄物は95%以上が焼却・埋め立て。林地残材のほとんどと、建設廃材の60%が未使用だ。そうしたバイオマス資源を段階的にエネルギー資源として活用していき、将来的には国内のエネルギーの10%を供給する計画も。当初は規制対象である建廃、食品廃棄物の利用(新エネルギーの30%を供給予定。2010年に原油換算101万リットル)。

バイオマス資源はこれまで技術および事業の事例が少ないのが現状。NEDOはバイオマス実証事業に今年度は7件を、企業化調査は26件を採決。これから転換システムとコスト、そして出口開発が普及のカギである。が、これらの課題がクリアされれば、産業構造が似ているアジアへの波及は可能である。バイオマス産業市場は10年余りで10兆円だと推測できる。

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