Tuesday, May 20, 2025

157号-環境技術ーまとめ-2007年8月

157号-環境技術ーまとめ-2007年8月

1. バイオ燃料の近未来
バイオ燃料は、将来的に巨大市場に成長する可能性があります。2005年頃から動きが活発化し、バイオディーゼル燃料(BDF)が全国で広がっています。セルロース系資源を利用したエタノールやBTL(バイオ液体燃料)の研究開発が進行中で、食料と液体燃料を並産できるコスト効果も期待されています。最終的には、化石燃料とバイオ燃料のベストミックスが実現される見込みです。

2. エコファンドの成長
2006年以降、エコファンドの成長が著しく、再生エネルギー、省エネルギー、温室効果ガス削減に関連する企業への投資が増加しています。エコファンドは、特に地球温暖化対策に貢献する企業を対象としており、投資家の関心を集めています。水資源をテーマにしたファンドも注目を浴びており、今後も関連ファンドの設定が続くと予測されます。

3. 太陽光発電システムの普及
京都市での太陽光発電システム設置助成が進み、5年目で700件を超えました。助成額を増額することで、さらなる普及を目指しています。設置コストは高いものの、30年で回収できるとされており、環境意識の高い市民の支持を得ています。

4. セルロース系資源のエタノール製造
セルロース系資源(稲わら、木材など)からのエタノール製造が研究されています。セルロース系資源はエネルギー効率が高いものの、前処理に大きなコストがかかる課題があります。研究が進む中で、今後エネルギー収支の改善が期待されています。

5. 紙・パルプ産業における環境技術
紙・パルプ産業では、リグニンのマテリアル活用が進展しており、エポキシ樹脂や接着剤などへの利用が進んでいます。また、水消費量の削減技術開発も重要視されており、製紙工程での水使用量が過去35年間で4分の1に削減されました。さらなる技術開発が期待されています。

6. レアメタル代替技術の研究開発
文部科学省と経済産業省は、レアメタルに関する技術開発を進めています。亜鉛の代替となるアルミ合金系の表面処理技術や、貴金属の代替としてナノ粒子自己形成触媒の開発が進んでいます。これにより、従来の特性を保ちつつ、レアメタルの使用を抑えた新素材が実用化される見込みです。

7. 雑排水の再利用
日本では雑排水の再利用が進んでおり、特に大規模建築物での導入が増加しています。雨水利用や処理水の再利用により、水資源の有効利用が進められています。上下水道料金との比較を踏まえた導入が進められており、水リスクに対応したインフラ整備が求められています。

8. DME(ジメチルエーテル)技術の開発
DMEは、SOxやPMを排出しないクリーン燃料として注目されています。北海道での実証プラントが稼働しており、バイオガスからの液体燃料製造が検討されています。メタン発酵を利用したバイオガスの液体燃料化が新たな用途として期待されています。

9. 波を動力とする船の開発
環境冒険家の堀江謙一氏が、波を動力源とする世界初の船「SUNTORYマー メイド 2 号」を開発し、試走を行いました。この船は、自然エネルギーを利用した航海を目指しており、環境に配慮した設計が特徴です。2009年にハワイから日本までの航海に挑戦する予定です。

10. 太陽光発電の新技術
フィルム状のアモルファスシリコン太陽電池モジュールを組み込んだ防水シートが開発されました。この「サンロイドDNソーラーシート」は、屋根の架台に設置する従来の発電システムに比べて、荷重負荷を大幅に軽減でき、施工の自由度が高い点が特徴です。太陽光発電と防水を同時に実現する新たな技術として注目されています。

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