栃木県宇都宮市における建設廃材の不法投棄問題 - 2011年1月
栃木県宇都宮市では、建設廃材の不法投棄が相次ぎ、年間約57000トンの建設系廃棄物が適正に処理されず、深刻な環境問題となっています。不法投棄された廃材には、コンクリート片やアスベストを含む建材が含まれ、調査では土壌中のアスベスト濃度が基準値の約5倍、周辺河川の汚染物質濃度が基準値の約3倍に達していることが判明しました。これにより、農業用水や飲用水への影響が懸念されています。
宇都宮市では、廃棄物処理法に基づき、2010年に不法投棄に関与した業者2社を摘発。それぞれ罰金として5000万円以上が科されました。また、市は不法投棄現場からこれまでに約1000トンの廃材を回収し、浄化作業を実施。汚染地域の復旧には約3億円の費用が見込まれています。
再発防止策として、市内の不法投棄が多発する地域に約10台の監視カメラを設置し、24時間体制で監視を行っています。また、不法投棄防止の啓発ポスターを市内全域に5000部配布するほか、地域住民との協力で年4回の清掃活動を実施。これにより、発生件数は前年比で約15%減少しました。
この問題は、建設廃材の適正処理を求めるだけでなく、地域全体での環境意識向上の必要性を示しています。
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