Wednesday, September 10, 2025

吉原手引書の登場 ― 情報が商品化された江戸の遊里文化(18世紀)

吉原手引書の登場 ― 情報が商品化された江戸の遊里文化(18世紀)

江戸中期から後期にかけて、吉原は町人文化の中心として栄えた。しかし遊び方や遊女の格付けは複雑で、初めて訪れる者には難解だった。そこで登場したのが「吉原細見」と呼ばれる手引書である。妓楼の特徴や遊女の階級、揚代や指名料の相場、人気遊女の評判まで詳しく記され、初見の客でも安心して遊べるようになった。これは情報が娯楽と結びつき商品化された例であり、江戸出版文化の隆盛を示すものであった。

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