逆光線は1956年8月14日に公開された日活作品で、監督は古川卓巳、原作は岩橋邦枝、脚本は池田一朗が担当した。出演は北原三枝、香月美奈子、渡辺美佐子、安井昌二、青山恭二、二本柳寛らである。白黒映画でありながら、戦後の若者たちの感情や男女関係を生々しく映し出す作品として位置づけられる。 1956年の日活は、石原慎太郎原作の太陽の季節や狂った果実など、若者の欲望、恋愛、身体、世代間の価値観の衝突を前面に出した作品を次々と送り出していた。逆光線も、そのような時代の空気の中で見ると理解しやすい。北原三枝は同年の狂った果実にも出演しており、戦後の新しい女性像を担う女優の一人だった。 逆光線という題名は、人物を正面から明るく照らすのではなく、光の向こう側に影を生み出す映像感覚を連想させる。若さの輝きの裏側にある不安、嫉妬、欲望、孤独を描く1950年代青春映画の感触とも重なる。資料で本作が身体表現や男女関係を考える作品群の中に置かれているのは、戦後日本映画が、従来より直接的に若者の肉体や感情を描き始めた時代を示す一例だからだと考えられる。
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