新日本製鐵の広畑製鉄所では、1998年から廃タイヤの再資源化に取り組みました。背景には、廃タイヤを焼却や埋立てだけで処理するのではなく、製鉄工程の原料や燃料として使い切ろうという発想がありました。広畑製鉄所では、1993年に操業を始めた冷鉄源溶解法、SMP法を活用し、廃タイヤに含まれるカーボンを還元剤や燃料として利用し、スチールコードを鉄源として回収しました。1999年当時の資料でも、廃タイヤを製鉄工程に投入することで、カーボンブラックを還元剤、鉄分を溶鉄原料、合成ゴムをガスとして利用する仕組みが紹介されています。 その後はガス化リサイクル設備も導入され、油、ガス、カーボン残さ、鉄分まで再資源化する体制が整えられました。新日鉄の報告では、年間約12万トンの廃タイヤを処理できる体制を構築し、日本で発生する廃タイヤの1割以上を担う規模に達したとされています。タイヤを廃棄物ではなく、鉄、炭素、エネルギーを含む資源として製鉄所へ戻すこの仕組みは、異なる産業を結び付ける循環型リサイクルの象徴的な事例となりました。
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