2020年3月5日木曜日

量子コンピュータって何だろう?


量子コンピュータって何だろう?
2019年10月、米アップル社が開発した「量子コンピュータ」がこのところ話題を呼んで
いる。従来のスーパーコンピュータの性能を遥かに上回り、「量子超越性」と言うものだ。
聞けばもしこれが商業化すれば、複雑な計算を高速化、しかも「低消費電力」が実現可能
になる。中国始め欧米がこの量子コンピュータに技術に莫大な資金投入中だ。日本も負けじと取り組みを加速しているが、その状況を追ってみてみた。
●量子コンピュータの仕組み
従来のコンピュータはスーパーコンピュータであれ、スマートフォンあれ、「0」と「1」の組み合わせ「基本ビット」で動いている。ミクロの世界を表す量子力学と言う物理学が基礎になっている量子コンピュータは「量子ビット」が基本で、量子と言う極めて小さな粒子「0でもあり1でもある」を活用している。イメージとして従来のコンピュータだと計算すべきものを片っ端から計算して行くのに対し、量子コンピュータは一回の計算で一挙に計算してしまうというものだ。
平たく言えば1万年かかる計算を数分でやってしまうと言うのだ。
グーグル研究グループいわく「ライト兄弟の飛行機初飛行1903年。以降、飛行機の技術は大きく発展した。今回の量子コンピュータはあくまで最初の一歩だ」と将来を見据えて、こう言った。
量子コンピュータの概念が提案されたのが1980年。当時から、筆者はその概要について気になっていたが、その扱う数字は天文学的、現在のわたしらの暮らしには遥か遠いところにあった。しかし将来的には役立つことがあろうか、と。中でも消費電力の省エネルギー効率は半端でなのが魅力だ。
●各社特長活かしてサバイバル
量子コンピュータを一番最初に手掛けたのはカナダのDウエーブ・システムである。現在はグーグルとIBMが代表格で、「量子ゲート方式」呼ばれ、さまざまな種類の計算を超高速で解くことが得意分野だ。計算能力は量子ビット数に左右され、グーグルが53で一歩リードしている。IBMが50程度のビットだといわれている。両社ともにクラウドサービスを通して企業や団体へ提供している。米国ではマイクロソフトその他の企業が別の方式で開発を進めている。
世界で注目されているのが「中国」の動きだ。日本でも「アリババ」が2018年からクラウドサービスを始めている。ちなみに計算をへ行なう量子ビットを如何に安定的に動かすか?が課題。グーグルのように超電導回路ではない光回路や特殊な結晶で動かすさまざまな方法が国内外で研究されている。
●今後期待される分野は?
本格的な実用化には10年以上と言うのが大方の予測だ。その試行錯誤は始まっている。例えば営業マンが訪問先の最も少ない距離を求めたり、物流の効率化や交通渋滞の解消等への応用が期待される。また金融商品の最適なポートフォリオの実現、医薬品や新素材開発への応用、人工知能の性能アップ等発想・工夫次第で用途はさらに広がりそうだ。はて、さて?

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