Wednesday, April 9, 2025

北の果て、血に染まる街──1985年から1986年の北見抗争

北の果て、血に染まる街──1985年から1986年の北見抗争

昭和末期の北海道北見市。静かな地方都市を、突如として激しい暴力が包んだ。引き金は、1985年8月1日。加茂田組系花田組組長・花田章が、スーパーマーケットで稲川会系星川組の幹部に銃撃された事件である。花田は数日後に死亡し、その死はただの一事件にとどまらなかった。

対立の構図は、一和会と稲川会。関西を拠点とする加茂田組は、かつて山口組に属していたが、独立し一和会を結成。北海道進出を託された花田組は、北見で地盤を築いていた。そこに対峙したのが、東日本を拠点とする稲川会の星川組。二つの勢力が交錯し、都市を戦場へと変えた。

報復の応酬は止まず、花田の死から3か月後、星川組長・星川濠希もまた射殺された。それでも銃声は止まらず、道内で次々と命が失われた。だが1986年、白老町のホテルにて手打ち式が行われ、抗争はようやく終息する。

北見は再び静けさを取り戻したが、そこに流れた血の記憶は、今なお街の片隅に沈んでいる。

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