水を繋ぐ誓い――日本の水道が揺らぐ時代(2020年代)
かつて命の源として静かに人々を潤してきた日本の水道網はいまひそかに危機を迎えている。
高度経済成長期に築かれた施設は老いを隠せず耐用年数を超えた管は全国で17パーセントを超えた。
水の需要もまた静かに減少している。地方では人影が薄れ収入は細る一方だ。
そのうえ技術を支えてきた職人たちは次々と定年の時を迎える。
安く享受してきた水の恵みの裏で更新費用はままならず災害に耐える力も揺らぎつつある。
政府は広域連携と民間委託を旗印に2040年までに三割以上の水道を再編しようと動き始めた。
仙台市では近隣と手を取り合い水道の未来を守ろうとしている。
統廃合による効率化と震災で得た教訓をもとに耐震管への更新非常時給水拠点の整備に力を注いでいる。
一方浜松市は2018年日本で初めて下水道事業にコンセッション方式を導入した。
市が所有権を持ちつつ運営を民間に委ねるこの方法で財政負担を減らし民間の知恵を取り入れた運営を目指す。
人口減少時代に挑むひとつの未来のかたちがここに静かに息づいている。
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