Saturday, June 28, 2025

「ツリーフリーの森から」―非木材紙の運動と日本環境財団(1998年9月)

「ツリーフリーの森から」―非木材紙の運動と日本環境財団(1998年9月)

1990年代後半、日本では森林資源の乱伐や熱帯林破壊に対する市民の関心が高まっていた。そうした中、ケナフやバガスなどの非木材を使った紙づくりに取り組む「ツリーフリークラブ」が1994年に発足し、やがて1998年にはその活動が認められ財団法人「日本環境財団」へと昇格した。注目すべきは、非木材紙の価格に1%を上乗せし、その分を森林保護の基金に充てる「ツリーフリー基金」である。この制度によって、助成対象となる環境NGOへの資金提供が実現されており、年間10~20団体、1件あたり50万円程度の支援が行われていた。消費者の選択が環境保護につながる仕組みは、当時としては画期的で、のちのグリーンコンシューマー思想の先駆とも言える。非木材紙の普及は単なる代替技術ではなく、「紙を使う」という行為その�
��のに倫理的な問いを投げかけた。この運動は、紙と森林、消費と保護という矛盾を、市民の行動によってつなぎ直そうとする試みだった。

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